2015年 04月 12日
ノルウェーにフェミニスト党
フェミニスト党は、2005年、スウェーデンに創設された。女性差別、民族差別、同性愛差別、障がい者差別など、すべての差別根絶を目標に掲げる。
スウェーデン・フェミニスト党は、国会に議員を送り出すことはできなかったものの、欧州議会には議員を当選させた。ストックホルム、ヨーテンボルグ、マルメでは市議会議員を出している。
今や、その勢力は、国境を越えて隣国ノルウェーで火を噴いた。
そこにフェミニスト党が名乗りをあげたのである。報道によると、今のところ、西海岸のベルゲンとオスロの2都市で、新党としての手続きを済ませた。
日本の場合、新党設立と聞くと、政党交付金がらみか、と考えてしまう。ノルウェーの場合は、新党設立には、政党の規約と、その県(選挙区)の住民500人以上の署名をつけさえすればいい。フェミニスト党設立めざして、署名集めをする若者たちの写真が、ノルウェーから届いたが、それが新党設立の準備運動だ。
スウェーデン、ノルウェーといえば、世界有数の男女平等国家であり、人権国家と言われてきた。そういう国に、なぜフェミニスト党? フェミニスト党の党員たちはこう語る。
「他の政党は、女性政策を掲げてはいますが、優先順位が低い」
「スウェーデンでは、右翼的政党の台頭により、右翼的政策がさかんに人々の話題に上るようになりました。フェミニスト党誕生の最大の成果は、フェミニズムの政策が人々の話題に上るように変わってきたことです」
「他の政党は、男女平等。私たちは女性の解放をかかげています」
一方、ノルウェーでフェミニストの政策を重点的に掲げてきた左派社会党の議員は、左派勢力を分裂させると怒っているという。その反対の声に対して、フェミニスト党の候補者たちは、「怒るのは的外れです。敵はファシスト的政党のはずです」
選挙の専門家は、ノルウェーの政党は、男女平等政策を重視してきており、フェミニスト党には苦難の道がまちうけている、とコメントしている。
◆Feminist Initiative shakes up politics in Sweden and Norway
◆OECD Employment:Gender wage gap
◆Every country needs a political party like Sweden’s Feminist Initiative
◆ノルウェー地方選挙レポート2011 【1】「女のクーデター」 再び -平等・反差別オンブッドは語る
◆ノルウェー地方選挙レポート2011 【2】選挙運動を担うソーシャル・パートナー
◆ノルウェー地方選挙レポート2011 【3】女性参政権100周年から子ども参政権へ
◆ノルウェー地方選挙レポート2011 【4】北部ノルウェーを支えるサーメの女性たち
【写真:2011年秋のノルウェーの地方選挙期間に開かれた選挙運動パーティ。18歳から参政権があり、たまには高校生や大学生も立候補する。】