スウェーデン、心の病いを持つ人を家族に

c0166264_15221355.jpg「ここには、愛情、家族の信頼があるの」と、女性が話す。

「前の病院施設は・・・こことは違っていました」

彼女は、心の病をかかえているいわゆる“深刻な精神病患者”だ。しかし、彼女は拘束もされず、薬も飲まない。スウェーデンのホストファミリーに迎えられて、ごく普通の暮らしをすごしている。

この素晴らしい現実があると教えてくれたのは、アメリカ人ダニエル・マックラ―(Daniel Mackler)が作ったドキュメンタリー映画「癒しの家(Healing homes)」だ。

映画は、心の病への家族によるケアを、スウェーデン農家のカップルの会話から描写する。

作者ダニエルは、アメリカのセラピストだ。彼は精神病院の実態や、心の病を持つ人たちへのアメリカ式治療を身を持って体験している。

そんな彼は、スウェーデンの家族の試みに、激しく感動する。カメラを回しながら、「涙が出てきます。感動しているんです」と、言う。見ているこちらも胸が熱くなる。

ホストファミリ―には、牛がいて、犬がいるごく一般的な農家で、自分の子どもたちと同じように、“患者”を家族の一員として育てている。

Love(愛情), Solidarity(連帯), Togetherness(一緒)ーーという言葉を使っていたようだ。

心の病を持った家族も、他の家族と同じように毎朝、牛の世話や、掃除や、日々の決まり切った普通の仕事をする。けんかもするし、怒ったり、笑ったりもする。時をともに過ごすのだーー精神的な病を抱えている人たちにもっともよくないのは、隔絶され孤独にされることだと言う。

陰でサポートするのは、ヨ―テボリにある家族ケア財団(The Family Care Foundation)だ。1980年代からの長い歴史と経験がある。何人ものセラピィ―の専門スタッフがいて、定期的にホストファミリーを訪問する。グループ会議を持つ。ホストファミリーに何か困ったことが起きると電話を受けてただちに対応する。

「食べるもの、住むところ、ちょっとした運動、好きな人、この4つがあれば、たいていの問題に対応できるようになります」ーーー財団スタッフの言葉だ。

財団理事でセラピストのカリーナ・ホ―カンソン(Carina Håkansson)は、「これまで全く治る見込みなどない、絶望的だと言われていましたが、それは違う、治るのです」と語る。なんという希望!

先日、ノルウェーの刑務所を紹介した。ノルウェーの刑務所も、スウェーデンの家族ケアも、「同じ人間だ。かならず治ってここを出ていく」と信じているところが、すごい。

いいドキュメンタリーだった。

FAMILY CARE FOUNDATION
Healing homes: full documentary film here (alternative healing for “serious mental illness”)(ドキュメンタリー映画「癒しの家」)
In Gothenburg, Ordinary Homes Serve as Havens for Healing
OPEN DIALOGUE
Carina Håkansson - Healing Psychosis - February 27, 2014
Open approach to mental healthcare
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by bekokuma321 | 2015-04-05 15:28 | 北欧