ノルウェーの3月8日

国際女性デ―、オスロ。約6000人が集まった。2015年のスローガンは、

労働環境法改悪反対

「1日6時間労働を」

「100年間の我慢はもう嫌だ」

「自分で自分のことを決める女の子」という看板を持っている幼い女の子も。

ノルウェーからのニュースによると、オスロだけでデモに加わった人数は6000人だ。なんともすごい。それでも、1万5000人を超えた2014年よりは少なかったと悔やむ。

日本の30分の1の人口の、世界トップクラスの男女平等の国で、こんなにも多くの人が一堂にかいして国際女性デ―を祝う。なんだか不思議な気もする。

その秘密はなんだろう。私なりに考えてみた。

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第一に、「女性デ―委員会」が各地につくられ、超党派で、それぞれの団体・組織からの代表が企画して準備をすること。

第二に、「男女平等は未完成」だと常に問題を指摘する男女平等オンブッドなどがいてそれを報道がとりあげること。

第三に、100年以上の長きにわたって続けてきたこと。

さて女性デ―委員会。この委員会は、労働党女性局など政党系の団体、「レズビアン若人」など個別テーマの団体、伝統ある女性団体などから代表が選ばれてつくられる。

ノルウェーでは国会から市議会まですべて異なったグループから代表が合意をとりつけながら物事を決める習慣がある。いわゆる議会だけではない。小学生から大学まで、学校ごとにみな生徒(学生)議会があり、そこで決まったことは教職員会議に提案される。このプロセスは、女性デ―委員会も同じだ。

女性デ―委員会の歴史をたどると、70年代後半のピーク時には2万人以上もがデモをした。路線の違いから分裂した苦しい時代もあったという。しかし、「分裂が多様性を産んだ」(Runa Haukaa)。

c0166264_1550937.jpgノルウェーには女性差別や民族差別・高齢者差別の撤廃に日夜働く国家公務員がいる。その人を平等・反差別オンブッド(かつての男女平等オンブッド)という。

現在のオンブッドは、スンニ―ヴァ・ウルスタヴィックSunniva Ørstavik(写真)。彼女は、今年、独自調査をもとにノルウェーはまだまだ男女平等ではないと、警告した。

「出産後、女性の半数以上が職場で差別を体験している。男女賃金格差は広がった」「ノルウェー平等法に違反する雇用主への厳罰化を望みたい」ーーオンブッドのこの発言は報道を通じて広げられた。

世界で初めて女性デ―が提起されたのは1910年。デンマークのコペンハーゲンでの国際社会主義者会議だった。ノルウェーは、1915年、ロシアのアレキサンドラ・コロンタイがやってきてオスロで演説をした日から、女性デ―が始まったという。

社会主義の集まりから始まった女性デ―だが、今では自治体のホームページに広報サイトがあり、自治体ぐるみでこの日を盛り上げている。

そう、今年、2015年はノルウェー女性デ―100周年にあたる。

c0166264_16152067.jpgグロ・ハーレム・ブルントラントに次いでノルウェー史上2人目の女性の首相エルナ・ソルベーグ(保守党、写真)も、女性デ―に参加した。

首相は、ドランメン市のドランメン・シアターに向かった。

そこでまず、女性解放運動家Deeyah Khan が、スピーチをした。「名誉殺人」のドキュメンタリー映画でエミー賞受賞した映画監督だ。インド系ノルウェー人。

彼女は、「私は抑圧され、いじめられ、脅されてきた。抑圧や排斥をなくす唯一の道、それは私たち自身が立ちあがることです。アフガニスタンや遠い国の女性の悲惨さに同情するのはむしろやさしい。重要なのはこのノルウェーに残る差別を認識することです」とスピーチした。

ソルベーグ首相は、著名な作家Amal Adenの壮絶な人生を紹介した。

1983年ソマリアに生まれた。4歳でみなしごになった。7年間ストリートチルドレンとして生き延び、13歳の時、字を読めない書けないままノルウェーに移住した。

首相は、「彼女は新聞の取材に応じ、辛い生活を語った。すると、警察からそんなことを言うなと脅されたのです。表現の自由という権利があるのに、女性が自分の辛い境遇を表現できないなら、男女平等社会とは言えません」と語った。

世界有数の民主主義の国ノルウェーの女性デ―の過ごし方には、学ぶべきことが多い。

そんなノルウェーの敬愛する友人から、3月8日、こんなメールが私に届いた。心が熱くなった。

”Thank you for all your efforts! Japanese Women need you !
I am happy I could contribute.”


【写真:1970年代の3月8日の歴史的ポスター。女性職場の崩壊反対、妊娠中絶の自由を、無料の保育園を、と書かれている】


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by bekokuma321 | 2015-03-10 16:48 | ノルウェー