非暴力の出番

c0166264_2333105.jpg「シャルリー・エブド」社テロ事件から2週間。日本政府が日本人2人の命と引き換えに身代金を要求された。

イスラム過激派「イスラム国」による暴力の連鎖は世界を震撼させている。

そんな折、ノルウェーのコメディアンであるシャバナ・レーマン(Shabana Rehman)がおもしろいアイデアを出した。「非暴力運動の出番です。恐れたら、さらに暴力を産み出すだけ。抱き上げましょう」

「西洋のイスラム化に反対する欧州愛国者(ペギーダPEGIDA)のマックス・ヘルマンシェンを持ち上げるときが来ました。私たちに必要なのはより急進的な非暴力運動です」

パキスタン生まれノルウェー育ちのシャバナ・レーマンは、こうアフテンポステン紙で呼びかけた。彼女はイスラム教徒で、抜群の人気を誇るコメディアンでもある。

彼女のアイデアは、無邪気すぎるようだが、10年前の武勇伝を知ると、本気だとわかる。ノルウェー友人によると、シャバナ・レーマンの″武勇伝“はこうだ。

10年前、彼女は、ノルウェー移民の過激派イスラム教徒ムラー・クレカール(Mullah Krekar)を持ち上げて大センセーションをおこした。ムラー・クレカールはイラク北部からの移民で、クルド系の武装グループを創設したとされ、テロリストとみなされている。その風貌は、見るからにイスラム教教祖。

10年前のある日、ムラー・クレカールは、自分の本の宣伝のため、オスロのナイトクラブでのブックトークにやってきた。大勢の前で彼は「僕を怖がるのは間違っています」と優し気な笑みで言った。彼の寛容ふうなものごしは、それまでも評判だったという。

シャバナ・レーマンも、そこに招かれていた。彼女は、「それならば」と突如彼に腕をまわして持ち上げた。

“女性に抱き上げられた男性”は、どうしたか。笑みは消えた。ものすごい剣幕で怒り狂った。マイクをつかみ「イスラム教に対する冒涜だ、侮辱だ」と。そして彼女を侮辱罪で訴えるという騒ぎになった。

シャバナは、「私みたいな小さな女性が持ち上げることができるなら、彼の言ったことは本当で、危険人物ではないと思ったから」と言った。以来、彼女は警察の保護下にあるという。

今回、コメディアンの彼女が抱き上げたい男性は、マックス・ヘルマンシェンだ。彼は、ドイツに本部を持つ「西洋のイスラム化に反対する欧州愛国者」(ペギーダPEGIDA)のノルウェー支部長といった地位にある。ペギーダは、ナチともファシストとも呼ばれる極右組織らしい。反イスラムや反移民を掲げてドイツ各地でデモを率いている。

ノルウェーは、ノーベル平和賞の国だ。また、かつてイスラエルとパレスチナ双方に友好関係を保ちながら、秘密裏に交渉を続け、歴史に残る「オスロ合意」を成立させた。しかし、その国で、数年前、労働党の若者ら77人がテロリストに襲撃されて死亡した。襲撃犯は白人男性で、政府の移民政策に反対していた。

こういう政治風土のノルウェーで、パリの「シャルリー・エブド」社のテロに抗議する大規模なデモがあったのは当然だ。

一方、それに対抗する勢力も黙っていない。代表格が「西洋のイスラム化に反対する欧州愛国者」(ペギーダPEGIDA)のマックス・ヘルマンシェンだ。彼は、オスロでデモを組織。毎週月曜にデモをすると宣言した。彼は、「イスラム教をたきつけるような反動的動きに対して抗議をしている」と唱えている。

彼のそうした扇動を、多くの市民は恐れて心配しているだけである、とシャバナは言う。

「恐れは暴力を産み出すだけです。来週の月曜に、私はマックスを抱きあげようと思います。必要なら毎週月曜日にそうします。女性の皆さん、できるだけ多くの男性を抱いて持ち上げてほしい。大きく温かい愛の行動で」

これ以上の”積極的平和主義”はない。しかもお金がかからない。そう、小野洋子とジョン・レノンの21世紀バージョンだ。国会を包囲した日本の”赤い女たち”にもつながっている。

Et løft for ikkevold (ノルウェー語で「持ち上げる」は løft。ルフト。持ち上げられて一瞬笑っているイスラム過激派教祖の画像が出ている。その後怒った)
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by bekokuma321 | 2015-01-22 17:15 | ノルウェー