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いじめられっ子の絵本

いじめられっ子の絵本_c0166264_1056887.jpg2014年の北欧子ども・若者文学賞は、ノルウェーの子どもの絵本『茶色』に輝いた。

『茶色』 (ノルウェー題 Bune)は、いじめられっ子の物語だという。

賞を送った北欧協議会は、こうほめちぎった。

「友情と勇気、創造力、魔法に満ちた、温かくて力強いストーリー。いじめっ子の的にされている、冒険好きの小さな男の子についてのお話だ。人間の死について、感傷に陥らない絶妙のタッチで表現されてもいる。会話は自然で、愉快だ。文章はシンプルだ。最初に出てきたときよりも、深い意味を持っていることが多い。素晴らしい要素が、クールにしかもナチュラルにそこここに編みこまれている」

著者はハ―コン・ウヴルオース(Hakon Øvreås)、絵を描いたのはウィヴィン・トゥーセッテル(Øyvind Torseter)。

2014年北欧子ども・若者文学賞には、FEM-NEWSで紹介した『戦争』も候補にあがっていた。こちらもノルウェーの作品で、作家グロー・ダーレが書いた。

これまで、ノルウェーの子ども文化の広がりや深さに、素人ながら感動を覚えてきた。たとえば、日本で評判だったアニメ映画『パパ、ママをぶたないで!』(監督アニータ・キリ 英題:Angry Man)は、ノルウェーの子どもの絵本『怒り鬼』(著者グロー・ダーレ、訳大島かおり・青木順子)が原作だ。父親の暴力という社会問題を、子ども向けの芸術の香り豊かな作品にしたてていた。

1960年代という時代に、弁護士の母に主夫の父を持つぶっとび一家を描いた童話作家アンネ・カット・ヴェストリ。ノルウェーのヘードマルク県リ―ナ生まれだ。それに、なんて言っても不動の人気を誇る『スプーンおばさん』。著者アルフ・プリョイセンもノルウェー人だ。

『茶色』も、日本語に訳されて出版される日が来ることを楽しみに待ちたい。いじめられて苦しんでいる多くの日本の子どもたちや、周りの大人たちためにも・・・。

Håkon Øvreås ble tildelt Nordisk Råds pris for barne- og ungdomslitteratur
Haakon Øvreås and Øyvind Torseter win the Nordic Council Children and Young People’s Literature Prize 2014 for Brown
北欧からのおくりもの―子どもの本のあゆみ
by bekokuma321 | 2014-11-01 11:01 | ノルウェー