「政治とカネ」、秋田衆院選から考える

新聞やTVを賑わしている「政治とカネ」問題。

女性大臣辞任後、望月環境大臣、宮沢経産大臣、有村治子女性活躍担当大臣…。こうも次から次ぎに現れると、政治とカネ問題は、閣僚だから暴露されるのであって、これは氷山の一角にすぎないとわかります。

小渕元経産大臣が、カレンダーを配っていたことが暴露された後、秋田県内でもカレンダーを配布した衆議院議員が出ました。最初は、御法川信英財務副大臣(衆院秋田3区)だけでしたが、冨樫博之衆院議員(秋田1区)、金田勝年衆院議員(同2区)も同様に配布していたことが新聞に出ました。

素人の私は、なんで問題になるのかと思った「うちわとカレンダー」です。でも、よく考えると、選挙区内の有権者に自分の顔写真と名前を書いたカレンダーを配ったのですから、選挙運動とみなされかねません。カレンダーでもうちわでも、作成や配布にはお金がかかりますから、選挙区の大勢の有権者にタダであげたとしたら、買収になりかねません。

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しかも、作成費は、国民の税金「政党交付金」からですから、深刻です。

選挙となると、候補者や回りはあらゆる努力をします。違法ぎりぎり、というより違法だとわかっても、候補者の名前と顔を知らせるいい方法があれば、飛びつくのが選挙のようです。

それにつけても思い出すのは、2012年、秋田で立候補した三井マリ子さんの選挙です。

他の候補者はみな、田んぼや空き地にかかしのように立つ看板に、ポスター(いわゆる事前ポスター)を一定間隔置きに貼っていました。が、三井さんのはありませんでした。「三井さんのポスターがほしい」と私は、どれだけ思ったことでしょう。

選挙後に提訴した三井さんの裁判書面によると、いわゆる事前ポスターは、わずか900枚だったそうです。そのうち3分の2は松浦参議院議員、小原県会議員と一緒のもので、三井さんだけ写ったポスターはたった300枚でした。

御法川副大臣のカレンダーは3000枚だったそうですが、そのわずか1割です。

もっと驚いた、というか、悔しいのは、公費で作成できる選挙ポスター――町の候補者掲示板にはるもの――ですら、三井さんの場合、なんと公費の半分以下しかお金を使わなかったのです。めちゃめちゃです。

三井さんは、秋田に引越したことすら知られないうちに解散総選挙になってしまいました。本当に気の毒でした。ですから、固辞した三井さんに立候補をせまって翻意させて秋田に連れてきたのは松浦議員なのですから、松浦事務所は、三井さんの顔と名前を知らせる努力を精いっぱいしなければならかったのです。

それなのに、なぜ、これほどまでにケチケチだったのか。

松浦事務所側は、供託金が没収されるとポスターにかかった公費も候補者側が支払うことになることを知っていて、公費分よりも少なく作ったのではないか、と三井さんの書面は言います。話題の「政党交付金」をためこもうとしたのでは、ということなのです。

今は閣僚が攻撃の矢面ですが、「政治とカネ」問題は、役職についていない議員も、過去に政権与党であった政党の議員すべてにあてはまります。

とくに「政党交付金」は税金です。三井マリ子候補の政治活動のために出た資金です。その政治資金を、候補者のための必要最低限のことにすら使わなかったなんて、考えられません。三井候補の政治資金を、次に残そうという魂胆がなければ、こんなめちゃめちゃはありえません。

思えば、行ってもいない旅行に政務活動費を使ったように報告したことが判明し、号泣した元兵庫県議の野々村氏は、反面教師として優れものでしたね。

大倉 由紀子 さみどりの会(*)

【写真:秋田3区の選挙ポスター。掲示板の高さは豪雪地方には低すぎて、雪をかきわけなければ下段の候補者は見えなかった。室内に貼るカレンダーがいかに有効かは一目瞭然】

(注)衆院選で落選した三井候補は、松浦大悟議員らに不明朗な会計処理をされ心身ともに損害を受けたと提訴した。さみどりの会は三井裁判を支援する会の愛称。「産むならば 世界を産めよ ものの芽の 燃え立つ森の さみどりのなか」という阿木津英の歌がある。女性は子どもだけでなく、世界を産み出すのだという意味だ。三井さんは、選挙演説に引用しては「私は新しい秋田を産み出したいのです」と結んでいた。「さみどりの会」の由来だ。裁判報道は下を。
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by bekokuma321 | 2014-10-29 11:48 | 秋田