妊娠した女性が差別される国、されない国

10月23日の最高裁の判決後の女性のコメントに胸がうたれた。

 「あきらめず、声をあげてよかったと、喜びの気持ちです。これまで何度も憤り、傷つき、悔しい思いをしてきました。新しい命を宿した女性がこのような苦しみを受けることはあまりに酷です」(朝日新聞)

妊娠して差別されるのはおかしい、と立ちあがった女性に心から感謝したい。と同時に、提訴してまで闘わなければならない、この国に生きる不幸をのろった。

雇用機会均等法は、妊娠・出産を理由に、女性への不利益処遇を禁じている。これと、もうひとつ重要な国際法規がある。女性差別撤廃条約だ。

日本政府が批准してからもうじき30年になる。批准したからには守るべき責務がある。

女性差別撤廃条約は、第11条で、こう記す。

(1)国は、雇用における男女平等推進、女性差別撤廃のためにあらゆる措置をとらなければならない、とうたっている。

その上で、(2)婚姻又は母性を理由とする女性差別を防止し、かつ、女性に対して実効的な労働の権利を確保するため、次の4つの措置をとりなさい、とうたう。

「妊娠又は母性休暇を理由とする解雇及び婚姻をしているかいないかに基づく差別的解雇を制裁を課して禁止する」

「給料又はこれに準ずる社会的給付を伴い、かつ、従前の雇用関係、先任及び社会保障上の利益の喪失を伴わない母性休暇を導入する」

「親が家庭責任と職業上の責務及び社会的活動への参加とを両立させることを可能とするために必要な補助的な社会的サ-ビスの提供を、特に保育施設網の設置及び充実を促進することにより奨励する」

「妊娠中の女性に有害であることが証明されている種類の作業においては、当該女性に対して特別の保護を与える」

日本政府は、30年も前に、以上を守りますと国内外に表明したのだ。いったい、これまで政府は何をしてきたのか。

FEM-NEWSは、今夏、ノルウェーから妊娠中の働く女性を紹介した。

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彼女は、6人目の出産を控えて、休暇にはいる直前だった。その職場でフルタイム職員に雇用されて6年になるが、その間、2度、妊娠出産。育児休業を取りながら働き続けてきた。

「本当は、上司から嫌み言われたんじゃない?」と、私は食い下がった。彼女の答えはこうだった。

「嫌み? え~ッ、そんなことは一度もありませんよ」
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by bekokuma321 | 2014-10-24 21:32 | ノルウェー