山谷えり子国家公安委員長と在特会幹部増木重夫の関係

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9月25日、日本外国特派員協会で山谷えり子国家公安委員長(以下、山谷)の講演があった。そこで英「タイムズ」の記者から、山谷が「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の幹部増木重夫氏(以下、増木)と一緒に写っている写真について聞かれた。

山谷は、「その増木さんという方が、在特会の関係者ということは、存じ上げておりません」と、ひきつった顔で答えた。増木は山谷を15年前から知っていると言っているが、何年前から何回ぐらい会っているか、との質問には、「えーと、そーれは、記憶にございませんね、何回とか何年前と言うのは」となぜか歯を見せて笑った後、「たくさんの人といろいろな機会にお会いをしながらいろいろな意見を聞いてきている」、と話題をそらした。

山谷は、日本外国特派員協会に集うジャーナリストたちに向かって嘘をついた、と私は思う。山谷は、増木と、遅くとも2000年代初めから関係があったことを、私は知っている。

2003年2月、豊中駅前のゆやホールで、増木の関わる団体「男女共同参画を考える豊中市民の会」が主催する講演会で山谷は講演をした。この講演会を知らせるチラシは、2003年の年明けから豊中市内のあちこちでまかれた。豊中市の男女共同参画センター「すてっぷ」館長だった私も何枚か入手した(上の写真)。

この主催団体の連絡先の電話・ファックスは、「教育再生地方議員百人と市民の会」(1999年設立)と同じだった。この団体は、「日本会議」や「新しい歴史教科書をつくる会」と親密なつながりを持つ右翼的地方組織で、藤岡信勝、西村真悟、土屋敬之、古賀俊明などの議員が名を連ねている。

HPによると、代表は辻淳子大阪市議(維新の会)、事務局長は増木であり、その顧問に名前を出しているのが山谷えり子である。

増木は、「教育再生地方議員百人と市民の会」事務局長のほかにいくつもの団体の幹部をしており、目的にあわせて使い分けている。

学習塾「英知塾」経営者、MASUKI情報デスク、「救う会・大阪」代表、「教育オンブッド豊中」事務局長。そして「在日特権を許さない市民の会(在特会)」関西支部長。「教育オンブッド豊中」は、時には「教育オンブッド吹田・豊中」とも称している。

c0166264_1712729.jpg2007年8月には、豊中駅前のすてっぷにおいて、増木が事務局長をつとめる「教育再生地方議員百人と市民の会」の総会で、山谷は講演をした(右チラシ)。

山谷が講演した場所は、どちらも大阪府豊中市だが、それは偶然ではない。山谷が懇意にする北川悟司議員(以下、北川)が豊中市議会にいるからだ。北川は、2007年まで「教育再生地方議員百人と市民の会」の代表だった。その北川の選挙対策を仕切る活動家は、ほかでもない増木である。

増木作成のHP には、北川の選挙用のぼり旗の横に立つ増木とその娘の写真や、市議選最終日に北川の宣伝カー前で北川と増木の娘が並んだ写真が載っている。娘は、増木あずさ英知塾教員と書かれているが、増木と行動をともにしていたらしく、すでに高校時代に桜井よし子とのツーショットを撮っていた。そして、彼女と山谷えり子と一緒の写真は、2006年10月撮影が1枚、2007年8月撮影が3枚、公開されている。

北川市議は、男女平等推進を目の敵にする。市議会で、すてっぷ内にある情報ライブラリーのジェンダー図書をやり玉にあげ、「一方的な思想を植えつけるような図書は、すてっぷをはじめ学校図書館などから即刻廃棄すべきである」と述べた。ナチス時代の焚書を連想させる発言だった。

時を同じくして、2002年夏ごろから、利用者と称してすてっぷにやってきた増木は、時には妻を伴って、すてっぷに嫌がらせを繰り返した。対応にあたった職員たちに与えた恐怖は言葉では言い表せない。ちなみに、外国特派員協会で話題になった山谷の写真の前列に並ぶ人の中に増木重夫とその妻がいることは、当時働いていたすてっぷ職員なら誰でもわかる。

私も、閉庁日の土曜の夜、全くひと気のない市役所会議室に呼び出された。増木はいなかったが、「教育再生地方議員百人と市民の会」(事務局長増木重夫)の3人は、仲介役の北川とともに、3時間にわたって私を糾弾した。北川は、時折大声をたて、要求を通すために最後に机をバーンと強打して怒鳴りつけた。

こうした増木や北川の圧力に屈して、豊中市はすてっぷ初代館長の私を追い出した。私は、豊中市とすてっぷを運営する財団に対して、非常勤館長職を雇い止めされたこと、そして常勤館長職への採用を拒否されたことの違法性を主張して損害賠償請求の裁判を起こし、勝訴した。

増木に関しては、大阪高裁の塩月秀平裁判長が次のように判決で述べている(最高裁で確定)。

【平成14 年7 月8 日,増木重夫と名乗る者が来館し・「ジェンダーフリーの危険性を学ぶ」という主旨の勉強会をするということで,「すてっぷ」の貸室の申込みがあったが・「すてっぷ」は,会合名から,「すてっぷ」の設立目的に反すると判断し,目的外使用であるとして使用を断った。

しかし,同人は,被控訴人市女性政策課に抗議し,貸せないなら文書で回答することを求めた。その結果,被控訴人市は,一般使用として認めるに至り,同年8 月30 日,一般使用がされた。なお,「とよなか男女共同参画推進センター条例」は,「すてっぷ」の事業の1 つとして施設の提供を定めており,目的使用と,一般使用がある。

目的使用とは,男女共同参画の推進に関する会議,研修,催しなどのための使用であり(同条例3 条1 項6 号),一般使用とは,「すてっぷ」の設置目的を達成する事業に支障がなく,市長の承認を得た場合の使用である(同条例3条2項)。市長は,増木の活動が「すてっぷ」に対する嫌がらせを目的とすることを知悉しながら,さらなる同人の不当な攻撃を回避するため,上記8月30日の貸室使用を認めたのであり,これは「すてっぷ」の貸室としては上記条例に規定の一般使用としても許されないものといえる。

なお,増木についてはその後,「教育再生・地方議員百人と市民の会の事務局長である増木重夫が,平成20年12月と平成21年1月との2回にわたり,ほか1名とともに,西宮市内の女性の市立学校長を,『西宮市教職員組合の役員を務める男性教諭を処分しろ,入学式に街宣車を出して抗議行動をする』と脅迫した罪で逮捕された」ことが,新聞に報道されている。】

増木が在特会関西支部長であることは、新聞にも書かれており、公然の事実だった(2010年10月20日朝日新聞)。その増木、増木の妻、増木の娘という増木一家全員と親し気に写真撮影に応じていた山谷が、増木と在特会との関わりを知らないわけがない。

嘘をついたままにしておくことはできない。山谷は、国家公安委員長という警察のトップである。国際社会が「ヘイト・クライム組織」と呼んでいる在特会だ。しかし日本の警察はその差別的言動を見過ごしてきた。だからこそなおさら、山谷の発言は許されない。

彼女の任命権者である首相安倍晋三の責任が問われる事態だ。しかし、その安倍もにやけた顔で増木とツーショットをとっている。同じ穴のむじなだ。

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by bekokuma321 | 2014-10-03 00:13 | その他