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ストから考えた日本教員の長時間勤務

ストから考えた日本教員の長時間勤務_c0166264_12485925.jpg「ノルウェー教員の拘束時間は、ヨーロッパでは長いほうである」

今朝、アフテンポステン紙は、こう、欧州委員会の調査結果を報道した。

ノルウェーでは、「1日7時間半学校にいること」とする当局案に反対して、教員がゼネストをしている。

ストは、労働組合の強い北部地方から7月に始まった。ノルウェーの新学期8月現在、全土に及んでいる。今朝のニュースは、ストで闘う教員には願ってもない情報だ。アフテンポステン紙は最も権威のあるメディアの一つで保守系。

引用された国際比較は、「ヨーロッパにおける教員と教員幹部の基本データ」。欧州委員会から2013年に出された。

ストから考えた日本教員の長時間勤務_c0166264_0273179.jpgそれによると、教員の拘束時間を決めている国は、わずか3分の1にすぎない(上記のp75-77)。1週間の平均拘束時間は、アフテンポステン紙によると、こうだ。

ノルウェー   30
スウェーデン  31
フィンランド   13~20
アイスランド  20
スコットランド  28
イギリス     32
ポーランド   16
トルコ      23

一方、前回FEM-NEWS:教員ストに見た「北欧モデル」を読んだ日本の友人から、「我が子を通して見た公立学校や教職の友人たちから聞かされた話から、いつも10時間は拘束されている」と、フェイスブックに投稿があった。

日本の教員は1日10時間、つまり1週間に50時間も学校内で働かされているようだ。話にならない。

長いこと教員をしていた私は、都立駒場高校を最後に教員を辞した。その実体験からすると、クラスに出て生徒と向き合う時間のほか、クラブ指導や、生徒への個別指導、家庭訪問、翌日の教科準備、教職員会議など、時間がいくらあっても足りなかった。私は熱心な組合員だったので、組合運動にも時間が必要だった。

国際的に見ても、恐ろしいほど時間をとられている日本の先生たち。これでは先生たちが心身ともに病んでしまうのは当たり前ではないか。

教員の労働条件は、生徒の未来を決める。先生が病んでいて、どうして生徒が元気になれるだろう。

ノルウェーの先生たちは、「スト決行中」のTシャツをまとい人間の鎖で当局の建物を囲んだり(写真)、町に出てデモをしたり、集会をしたり、「生徒の未来のために」闘っている。

そんな姿をテレビで見ながら、教員の労組を目の敵にし、さらには教育基本法改悪を先導した「日本会議」の幹部右翼政治家を首相に選んだ国の未来を思い、ムカムカしてきた。

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Tror på løsning – venter med opptrapping
Norge på Europa-toppen i binding av tid
Key Data on Teachers and School Leaders in Europe
教員ストに見た「北欧モデル」
スウェーデン日刊紙 日本の危機を特集
北欧に対する偏見
再犯率の最も少ない国の刑務所
by bekokuma321 | 2014-08-22 23:15 | ノルウェー