まるで魔女狩り――徳島県藍住町の紅一点議員追放事件

7月22日、日本の小さな町で魔女狩りのような事件が起こった。

所は徳島県藍住町。吉野川の下流北岸に位置する。人口は3万4千人余り。

その町議会で唯一の女性である西岡惠子議員(写真)が、議員職を奪われることになった。

いったいなぜこんな事が起こったのか。

c0166264_051737.jpg魔女裁判のような判定をくだしたのは、資格審査特別委員会だ。議会内に設立されている。

西岡議員の資格に問題があるとする議案が資格審査委員会に出された。何回か審議があり、7月22日、失職を可決した。理由がふるっている。「生活実態がないから、選挙区に住んでいない、よって被選挙権がない」。

西岡議員は、プライバシーをすべて公開した。水道使用料と電気代が一般に比べて非常に少なく、ガス代なし、だった。見方によっては、エコ時代にふさわしい倹約家だと称賛される暮らしぶりだ。

ところが、藍住町議会の特別委員会は、自宅の水道光熱費が少なすぎる、だから、そこで暮らしていないに違いないとして、西岡議員の失職議案を賛成5、反対3の多数決で決めたのだ。

別の言い方をすれば、彼女を追放するために5月から計16回も会議を開いたものの、少なすぎる水道光熱費以外、何の疑念も探し出せなかったことになる。恥を知れ、と言いたくなる。

西岡議員を支援する女性団体や、徳島県の女性議員を増やす活動をしてきた諏訪公子さん、高開千代子さんらから背景を取材した。西岡議員は町長に反対する議員の1人。多数派から目の敵にされてきたようだ。

藍住町には、女性議員は、16人中、西岡議員ただ1人しかいない。西岡議員は当選以来、環境問題、高齢者介護問題、女性への暴力問題などの難問に果敢に取り組んできている。

水道光熱費が少ないという理由にならない理由で、町民が選んだ議員の職を奪い取ることができるのだろうか。そもそも、「西岡議員は選挙区に住んでないのでは」という近所の噂から始まったらしい。まるで魔女裁判のような資格審査委員会なるものの機能や権限に、強い疑問を持った。

 [徳島新聞 2014.7.23 クリックすると大きくなります]

委員会は、「西岡議員の議員職はく奪」判定を下したが、あきらめずに抗議をしよう。最終決定は今後の本会議だ。

抗議先は 藍住町議会事務局(藍住町合同庁舎5階)
〒771-1292 徳島県板野郡藍住町奥野字矢上前52番地1
電話:088-637-3127 ファクシミリ:088-637-3156
メール:gikai@town.aizumi.tokushima.jp

下(More)は、7月19日に筆者が出した要請・抗議文。




====西岡議員に対する議案取り下げの要望と抗議===

藍住町議会さま
同議会資格審査特別委員会委員長さま


西岡惠子議員が失職に追い込まれそうだと聞きました。

貴議会資格審査特別委員会なる場で、
「光熱水費の使用が少ないから藍住町に居住していないのでは」という、
理由にならない理由をつけて、西岡議員の失職議決をすることになりそうだ、
と聞き、驚きあきれています。

西岡議員は、人口の半分を占める女性の代表です。

聞けば、ストップDV・サポートの会理事でもあり、
人権問題・吉野川第十堰住民投票等、環境問題にも真剣に取り組んで
きたそうです。藍住町にとって、このような政策を持つ議員は実に貴重であり、
多くの町民から切望されて当然です。

現に、西岡議員は、藍住町の有権者による正当な選挙で4回にわたって
選ばれてきました。

男性だらけの議会で、筆舌につくしがたい苦労のなか、ただ一人の女性
議員として、頑張ってきたことは想像に難くありません。

その議会で、どなたの要望でかはわかりませんが、資格審査特別委員会
なるものをつくって、西岡議員のことを議案にあげ、理由にならない理由
をつけて西岡議員の資格はく奪を図り、失職に追い込む決議をするとは、
数をたてにとっただけの嫌がらせにすぎません。

そして、何よりも、西岡議員に対する人権侵害です。
いや、それだけではなく、西岡さんを選んだ藍住町の有権者に対する
権利侵害です。

このような暴挙を藍住町議会で行うことは、町議会史に禍根を残すことに
なります。

以上、強く抗議します。

とともに委員長ならびに委員は、特別委員会から西岡議員に対する
議案を取り下げること、または同議案の否決をすること、を要望します。


2014年7月19日

三井 マリ子(元東京都議会議員、全国フェミニスト議員連盟


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by bekokuma321 | 2014-07-30 00:22 | その他