タイのエビと奴隷労働

タイにおける現代の奴隷を撮影したビデオと記事が届いた。

半年にわたってタイで調査取材を続けたのは、ガーディアン紙の3人。記者Kate Hodal(女性)、映画監督Chris Kelly、記者Felicity Lawrence (女性)。撮影に成功したのは、世界で初めてだという。

百聞は一見にしかず。見るのが一番。

ビデオはRevealed: Asian slave labour producing prawns for supermarkets in US, UKにリンクされている。

ガーディアン紙の衝撃的報道のもとになったのは、現代の奴隷根絶にとりくんできた「反奴隷Anti-Slavery」という団体の運動だ。

その中のイサラ・プロジェクトが、タイの奴隷労働にとりくむ。イサラとは自由という意味のタイ語。

イサラ・プロジェクトによると、タイには約400万人の移民労働者が働いている。その多くはビルマ、カンボジア、ラオスからだまされて連れてこられた不法移民労働者。不法移民の働く場は、魚の捕獲、果物の缶詰工場、衣類縫製工場、電気部品工場などだ。

その中のエビの捕獲に携わっている労働者たちこそ、まぎれもない現代の奴隷だ。

c0166264_820691.jpg22時間労働、食事は1回、逃げようとしたり反抗的だったりすると殴打・電気ショック・拷問……厳しい監視下にあり、絶対逃げられない。船の所有者は現地の警察とグルのことが多く、野放し。エビは、コングロマリットCPが買い取り、そこから、世界の大手スーパー、ウオルマートなどに流れる。

日本のスーパーで買うエビもそうだ。

「タイからのエビを買うことは、奴隷労働による品物を買うこと」――「反奴隷Anti-Slavery」代表のアイダン・マックエイドの教訓だ。

1年前バングラデシュのラナ・プラザビルが崩壊し、1100人が死亡、2000人以上が大けがを負った。ビルには5つの縫製工場がはいっていて、そこで働いていた多くの女性労働者が死亡した。私たちが日本で買う安い衣料品も、この女性労働者たちの手で作られていただろう。この事件を通して背後の非人間的労働、犠牲者への賠償などを追及し続けているのも、団体「反奴隷Anti-Slavery」だ。

鶴見良行「バナナと日本人」や村井 吉敬「エビと日本人」を読んで、バナナを買ったり、エビ天を食べるとき躊躇を覚えることが多かった。

ガーディアン紙の映像は、ふと忘れてしまいそうなこのごろの私への痛烈な一撃だった。
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by bekokuma321 | 2014-06-11 22:53 | アジア・アフリカ