『幼い娼婦だった私へ』の著者ソマリー・マムの嘘

c0166264_22111879.jpgソマリー・マム。1971年ごろカンボジアに生まれた女性で、人道支援家として世界中で活躍している。

日本でも、彼女の本が、『幼い娼婦だった私へ』(高梨 ゆうり訳)となって、文芸春秋社から2006年に出版された。2008年には来日講演もした。

彼女は、ベストセラーとなった本や、それに基づく講演などの収入で、自分の名を冠した「ソマリー・マム財団」を創設。有名スターや著名人をはじめ世界中から、何百万ドルという寄付金を受けてきた。

さて、5月30日発行のニューズウィーク誌は、そんな彼女の半生はつくりものである、と発表した。

記者Simon Marksは、ソマリー・マムが生まれたカンボジアの村で、彼女を教えた教師、親せきなどたくさんの村人への入念な取材をもとに、彼女が語ってきた半生は嘘だったとする長い記事を発表した。

ソマリー・マムの語る略歴はこうだ。

「カンボジアの少数民族としてモンドルキリ州に生まれる。父母の消息は不明。見知らぬ老人に引き取られ、14,5歳で兵士と結婚させられる。まもなくして売春宿に売られる。拷問を受け、暴行される日々が8年近く続く。やがてフランス人と結婚。フランスで暮らした後、1996年、女性救援組織「AFESIP(アフェシップ)」をカンボジアに設立」

彼女は、この壮絶な半生が、女の子や女性に対する人身売買の根絶活動の動機となったとしている。彼女の創設した「AFESIP」は、苦境に立つ女性のための行動という意味だ。人身売買の被害者たちを救出し、リハビリと技能職業訓練を通じて、社会復帰の道をつくっているとされている。本部はカンボジア。拡大をつづけ、現在では、ラオス、タイ、ヴェトナム、フランス、スイスにまで支部があるという。

強姦、性的搾取、人身売買の被害者が、地獄からはいあがって、自分と同じ境遇の少女たちのために人生を捧げる――涙なしには聞けないソマリー・マムが語ってきた自らの人生。

その彼女がペテン師だったとは。ニューズウィーク誌を読む限り、その可能性は高い。

ニューズ・ウィーク誌の記事が出版されるとわかって、ソマリー・マムは、財団のすべての役職を辞すると発表したという。なんとも救いようがない嫌な感じが漂う。

しかし、カンボジアの少女たちが置かれた悲惨な現実は、嘘でもペテンでもなく、存在する。

Somaly Mam: The Holy Saint (and Sinner) of Sex Trafficking
Anti-sex slavery hero in Cambodia resigns after Newsweek exposé
http://www.somaly.org/
http://www.afesiplaos.org/
国際子ども権利センター15周年事業 ソマリー・マムさん招聘事業各地で大盛況!
日本からAFESIP(アフェシップ)に寄付された事実
[PR]
by bekokuma321 | 2014-05-31 22:24 | アジア・アフリカ