オスカー映画とひとりの歴史家

c0166264_1812960.jpg今年のオスカーは、「それでも夜はあける(12 Years a Slave)」に決まった。イギリスの黒人監督が、19世紀のアメリカ奴隷の話を描いた映画だ。

ニューヨークの自由黒人が、誘拐されてルイジアナに売られ、奴隷として働かされたという黒人の伝記にもとづいているという。書いたのは、本人ソロモン・ノーサップ。

19世紀の生々しい奴隷生活を、なぜ、今、映画にすることができたのか。その謎を、BBCは、「スー・イアキンがよみがえらせたからだ」と教えてくれた。

スー・イアキン(1918 – 2009)は、ルイジアナ生まれの歴史家でジャーナリスト。恐ろしく貧しい農家に生を受けた12人姉弟の長女だった。

スーが12歳のとき、友人の家ではじめてノーサップの伝記を読んだのだという。その後、大学の書店で再び見つけ、魂を奪われてしまった。しかし、本を売った人から「その本は嘘ばかりだ」と聞かされた。

嘘ばかりだと言われたことに納得できなかったスー・イアキンは、嘘かどうかを証明すべく命をかけて調査を続け、同僚と共にノーサップの伝記を監修つきの本にして、1968年、再発行にこぎつけた。彼女の70年をかけた仕事によって、「絶版となっていた」19世紀の奴隷の実話が、20世紀に息を吹き返したのだ。

彼女の本を映画監督スティーブ・マックイーンの妻が読み、ある日、夫にその本を手渡した。そして、映画となった。

スー・イアキンの一生にも心を動かされた。ルイジアナ大学で歴史学の博士号をとったのは60歳。ノーサップの伝記について、さらなる調査を続け、あたらな証拠を入れて再発行したのは、なんと彼女が88歳の時だったという。

スー・イアキンは、黒人差別が強く残る南部で、黒人解放運動に取り組んだことでも知られている。

私は映画をまだ見てない。見るのがとても楽しみだ。

http://www.bbc.com/news/magazine-26344746
http://www.thedailybeast.com/articles/2013/10/20/the-woman-who-saved-solomon.html

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by bekokuma321 | 2014-03-03 18:18 | USA