ヨーロッパを動かしたノルウェー「取締役クオータ」

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今日のアフテンポステン紙は、「取締役クオータ制」について報道している。

ノルウェー内閣は半分以上が女性だ。国会・地方議会も約40%が女性だ。その女性パワーを経済界に吹かせたのは、2003年の会社法改正だ。

それによってノルウェーの企業は2008年から、会社の取締役に女性を4割入れなければならなくなった。いわゆる「取締役クオータ制」を、会社法に入れたのだ。

違反企業には改善勧告書が届き、守らなければ閉鎖、とされた。導入当時、株式上場企業の取締役女性はわずか6%だった。

時を2002年初めにもどす。当時、ノルウェーは保守中道内閣。保守党の産業貿易大臣アンスガール・ガブリエルセン(写真上)は、ある日、記者団からこう水を向けられた。

「会社の取締役に女性を増やそうという議論が盛んです。スウェーデン政府は25%というクオータ制を考えているようですが……」

すると大臣は言った。

「25%じゃダメだね。40%にしなくては」

この一言を新聞が「爆弾発言」として報道した。

実は、取締役に女性を増やして男性偏重の経済界を改善しようという動きは、労働党政権時代に何度もあった。女性団体や男女平等オンブッド(オンブズマンのこと)も、おやじネットワークのせいだ、と長年批判してきた。しかし、保守党や経済界は反対の矛先をゆるめなかった。

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その反対の急先鋒だった保守党の大臣が、「40%にしなくては」と報道陣を前に公言したのである。これぞ、保守党内のクーデターだった。

こうして「取締役クオータ制度」が世界で初めてノルウェー国会で成立した。効果てきめん。その影響は、国内ばかりではない。ヨーロッパ諸国をも動かした。

アフテンポステン紙によると、クオータ制度を調査研究する「企業多様性センターCenter for Corporate Diversity」マリット・ホーエル所長は、世界の変化をこう説明する。

●スペインとオランダは、ノルウェー制定後すぐに同様の40%クオータを制度化した
●フランスは、2014年まで20%、2017年まで40%とする新法を制定した
●イタリアは、2015年まで3分の1を女性にするとした
●ドイツは、昨年11月、一方の性を少なくとも30%にすると決定した
●フィンランドは、国営企業にのみ課した

女性国会議員8%の我が国では、夢のまた夢だろう。それでも、夢は、夢をみる人がいないことには始まらないのだから、夢見る夢子ちゃんになろう。

Norsk «kvinnetvang» i styrene har beveget Europa
Toppleder: - Kvoteringsloven var helt nødvendig
“取締役クオータ制”、ついにEUに
取締役クオータ制:北欧の最新ニュース
男性だけの取締役会議が女性40%に
ノルウェー世界初の民間企業クオータ制
■ノルウェーの取締役クオータについては『ノルウェーを変えた髭のノラ』(明石書店)に詳述されている

c0166264_19145773.jpg【写真上:ノルウェー国会前のガブリエルセン大臣。筆者撮影】
【写真中:1990年代の啓発ポスター「がんばってね、男性諸君」と男性のみの有名企業取締役会を皮肉る】
【写真下:上の写真はトリミング前こうだった。彼は「やったね、クーデター成功」と私に親指を立てた】
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by bekokuma321 | 2014-01-09 17:43 | ノルウェー