現代イプセン演劇祭、開催中

ノルウェーの文豪イプセンが戯曲『人形の家』を世に出したのは、1879年。

弁護士の夫は、妻ノラを「うちのヒバリ」と呼んで可愛がった。でも、ノラには隠し事があった。病気だった夫を救うため、借用証書にニセのサインをしてお金を工面した。妻は、夫の許可なしには借金をする権利すらなかった時代のことだ。

偽署を知った夫は、ノラを犯罪者とののしり、「おれがお前の犯罪行為に加担していたと世間から疑われるんだ」と激高する。

夫の愛は、「寄る辺ないちっちゃな赤ちゃん」への愛であったと、ノラは悟る。そして「私は、何よりもまず人間です。あなたと同じくらいに」と言い残して家を出る。厳寒の12月、夫と子どもを捨てて。

家出をしたノラは、その後どうなったのだろう。イプセンは何も語っていない。だから、世界中の読者が時空を超えて、もしかしたら…と想像を巡らしてきた。

イプセン没後100年余り。今年もc0166264_15281280.jpg現代イプセン演劇祭が11月末から12月中旬まで東京で開催される。今回はノルウェー、日本のほか、ベルギー、ルーマニア、チリのプロダクションがやってきて、それぞれ現代的で個性的な解釈でヘンリック・イプセンの代表作『人形の家』を演じるのだという。

現代イプセン演劇祭 芸術監督の毛利三彌さんは、こう語る。

「東京で開かれる国際的なイプセン・フェスティヴァルも2回目となる。3年前の第1回以来、イプセンの現代的上演の波はますます高まってきているが、その衝撃のしぶきは、これまでのイプセン上演の中心を占めていた西ヨーロッパをこえて、全世界に及んでいる。今回招聘する東欧のルーマニアや南米のチリのイプセン舞台が、そのことを如実に示してくれるだろう。12月2日・3日には、本フェスティバルの出演者や舞台関係者、イプセン、ムンク、そして女性文学研究者らによるシンポジウムが開催され、様々な面からイプセンにアプローチします。」

◆現代イプセン演劇祭2013(時、会場など詳細はこちら)
http://www.norway.or.jp/norwayandjapan/culture/literature/ibsenfestival2013/
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by bekokuma321 | 2013-11-29 15:40 | ノルウェー