ドイツ、EUの個人情報保護と人格権

EU議会議長は、、『シュピ―ゲル』紙に掲載されたEUに対するアメリカ政府のスパイ行為記事に対して、アメリカに明快な説明を求めた。

議長マーティン・シュルツ(Martin Schulz)は、ドイツ社民党の政治家だ。ドイツはプライバシー保護が厳しく法制度で守られていて、EUのプライバシー保護法のモデルとなった、といわれている。

ドイツのインターネットにおける個人情報の保護は、「人格権に対する重大な侵害からの保護のための法律」というらしい。個人の人格権を侵害させないために個人を保護することーーそれが法の目的だ。

IT時代。情報は力を持つ。しかも情報は簡単に流通される。知らないところで悪用されたり、さらに拡散されることによってプライバシーの侵害まで及ぶ。アメリカ政府NSAの、プリズム・プログラムは、EU機関の盗聴にまで及んでいたという事態に、EUは、ショックを隠せない。EU加盟国のすべての人たちの人格権が侵害されるおそれがあるからだ。

c0166264_19571698.jpg人格権! 実は、2011年1月、最高裁が認めた私の裁判の核心が、「人格権の侵害」だった。私の職務上有していた人格権を、相手方(大阪府豊中市)が侵害したとする高裁判決を、最高裁が認めた。

とはいえ、人格権って何? 説明はむずかしい。財産権の侵害なら、数字で表せる。だが、人格が個々で異なるように、人格権もさまざまなのだ。

具体的にどういうものか、専門家の記載をあげる。

浅倉むつ子教授は、「意見書」で主張した人格権を、講演会で次のように説明している。 (Moreをクリック)





「本件は、市と財団による人格権侵害であると、まずは主張いたしました。不法行為だというわけです。事実関係を丹念に見ていくと、市と財団は、徹底的に組織変更の情報を三井さんには隠していた、それから、三井さんがまるで常勤館長職を望んでいないかのような虚偽の情報を流したということ、さらに公平さを装うために、非常に形式的な選考試験を行って欺いたこと、したがって正当な理由もなしに財団から排除した、こういうことが全て不法行為であり、人格権侵害である、と主張しました。」

常任弁護団の一人宮地光子弁護士は、人格権について、次のように書いている。

「豊中市の職員が、三井さんを次期館長に就任させないとの意図のもとに、三井さんに何らの説明もないまま常勤館長職体制への移行に向けて動き、さらには『三井さんは辞めることを承諾している』と嘘までついて、別の人物に常勤館長の候補者となることを承諾させたと認定した。そしてこの一連の動きを、三井さんの人格を侮辱したものであって、その人格的利益を侵害したとして、慰謝料と弁護士費用の支払いを命じたのだ。控訴審判決は、バックラッシュ勢力の不当な攻撃の意図が明らかな数々の事実を丁寧に認定してくれた。このことが、人格権侵害という評価の土台になったのだと思う。」

人格権、それは、大きくは、憲法13条にある基本的人権をさす。個人の身体,自由、名誉に関する権利だ。よく聞くのは名誉棄損だ。

私は自分自身の裁判で、労働者が持つ人格権というものがある、と知った。働く人にもその人にふさわしい処遇を受ける権利がある。そう、セクハラ、パワハラを受けない環境で働く権利、自分の首が切られるのならその理由を知らされる権利があるのだ。

ところが、個人の持つ人格権は、情報を持つ側・操作できる側によって容易に侵害される。私の例は、館長としての私が有していた人格的利益を、雇用主側が侵害した。つまり、当局は、私が知りうべき情報を隠し、操作し、改ざんしただけでなく、虚偽の情報をふりまいた。

巨大なNSAが、世界中で個人情報を収集し、それを個人の承諾なしに見たり読んだりできるとしたら? わたしたちの人格権などぶっとぶ。だからスノーデンの告発行為は、今、世界中の人々の心を揺さぶっている。

http://www.bbc.co.uk/news/world-us-canada-23116517
http://www.europarl.europa.eu/the-president/en/press/press_release_speeches/press_release/2013/2013-june/html/schulz-on-alleged-bugging-of-eu-office-by-the-us-authorities

◆国家か人権か:EUが米法務長官に警告
http://frihet.exblog.jp/20361911/
◆国家か人権か:NSAを告発したスノ―デン
http://frihet.exblog.jp/20350227/
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by bekokuma321 | 2013-06-30 19:15 | ヨーロッパ