ノルウェー男女両性の徴兵制へ

ノルウェーでは、兵役義務は男子だけだ。女子は志願兵のみ。

男女平等先進国ノルウェー。男子のみの徴兵制について、長く論争が続いていた。とうとう、この6月、2015年から男女両性となる法案が可決される。

男女両性の兵役義務制は、ヨーロッパで初めてだという。

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現防衛大臣アンネ・グレーテ・ストロム・エーリクセン(労働党)は、「憲法は、すべての市民が、国を防衛する義務を負うと言っています。しかし防衛義務は、これまで男性だけでした」と述べる。

女性の防衛大臣は、彼女が初めてではない。過去何人か女性の防衛大臣が誕生している。ちなみに、現政権の閣僚大臣は男女半々、国会議員の約4割が女性だ。

報道によると、連立政権を組む、労働党、中央党、左派社会党の3党は、男女両性の徴兵制案に賛成。野党の保守党、自由党、進歩党も賛成で、反対しているのはキリスト教民主党だけらしい。

高校生たちを取材しても、次のような賛成意見ばかりのようだ。

「兵役が男女平等になることは当然。でも、私は兵役自体がなくなればいいけど」
「私たち女子は、男子よりうまくやれます」
「私たちが、男女両性兵役義務の初代世代だなんて、エキサイティングです」

ノルウェー女性連盟代表のト―リル・スカールは反対だ。反対意見はこうだ。

「現在、女性は、志願すれば兵役につけます。それが義務に変わると、誰もが軍隊に入らなければならない。基本的な社会業務のために、女性は男性より時間をとられています。その現状を考えると、まったく後退。権力と資源における男女格差を縮めることは必要です。男女間に実際に存在する差異を知らなすぎますね。若い女性たちは、男子と同一ではないのは軍隊だけなどと言いますが、この措置には、総合的な社会分析と政治的討議が必要なのです」

ノルウェーのこのニュースを聞いたら、安倍式「女性の活用」を唱える首相は、パクリたくなるだろう。しかし、ノルウェーと日本では、女性問題解決にかける政治的意志が余りに違いすぎる。

ノルウェーは、男女賃金差100対85、男性の″女性化″世界一、ニだ(注)。とはいえ、ここに至る道は平たんではなかった。クオータ制をはじめとする政治の場の男女平等政策が、1960年代から実行されてきたのだ。今や、父親の育児休暇は、驚くな、14週間だ。

http://www.aftenposten.no/nyheter/iriks/politikk/I-dag-innfores-kjonnsnoytral-verneplikt-7229732.html
http://www.nrk.no/valg2013/hun-startet-vernepliktsskredet-1.11080524
◆パパ・クオータ、7月1日から14週間に
http://frihet.exblog.jp/20031889/
◆国をあげての論争「パートタイムかフルタイムか」 ノルウェー
http://frihet.exblog.jp/20320580/

(注)http://www.aftenposten.no/amagasinet/--Norge-er-verdens-mest-feminine-land---bortsett-fra-Sverige-7209495.html
社会構造が、男性的か女性的か(Masculinity versus femininity)という指標で国際比較したおもしろい調査。スウェーデンやノルウェーは、femininityが高く、cooperation, modesty, caring for the weak and quality of lifeを重視する。反対に日本は、masculinityが世界で最も高い国のひとつで、achievement, heroism, assertiveness and material reward for successに重きを置く。

【写真は、高校を卒業して志願兵となった2人。2人とも「軍隊では男子とほぼ同じメニューをこなしている」という。休暇で、家に戻ってきている。ノルウェーのマリエ・ナ―ルッド(右)宅にて】
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by bekokuma321 | 2013-06-18 03:08 | ノルウェー