ノルウェーの建国記念日

c0166264_2149266.jpg5月17日はノルウェーの建国記念日。ノルウェー憲法が制定された日で、憲法記念日ともいう。

私は、だいぶ前、5月17日に居合わせたことがある。建国記念日という語感からくる印象とはまったく違った光景が目の前に現れた。

風薫る5月。長く暗い冬から緑あふれる夏へ変わる、その、大空の下、子どもたちの笑い声が響いた(いや、すねたりする子もいた)。子どもたちが晴れ着を着て、自分の小学校のある町の中心街を行進する日なのだった。

「この国の建国記念日は、子どものお祭りです」と、当時私は日本のメディアに書き送った。

小学生が学校ごとに伝統的な衣装をまとい(いや、ジーンズの子もいた)、ブラスバンドにあわせて国旗を振りながらパレードをする。オスロでは、国王家族が並ぶ王宮バルコニーのすぐ下に小学生の行進が到着すると、小学生たちは「王様、元気ですか」とまるで友たちに向かってあいさつするかのようにあいさつをした。ほんとに驚いた。

王宮前の公園に式典の座席が設けられていた。国王一家のすぐ前の特等席を陣取ったのは、隣国から招待されたハンディを持つ子どもたちだった。

あれから何年もたつ。今年の建国記念日は? 胸のときめく話をノルウェーメディアから要訳したい。

c0166264_2231142.jpgひとつは、オスロ市の建国記念日委員会の委員長に、パキスタン移民のショアイブ・スルタンが選出されたことだ。スルタンは緑の党の政治家であり、「反民族差別センター」のアドバイザーとして活躍する評論家。彼の名が公になったとたん、右翼や反イスラム団体から嫌がらせが止まなかった。暴力的脅しもあったという。しかし、オスロ市長(保守党)をはじめとする政治家仲間たちの励ましを受け、排外的な脅しに彼は屈しなかった。そして17日、オスロ市長とともに、オスロ市を代表して行進をリードした。

c0166264_012055.jpgもうひとつは、日本人が好きなオーレスン市の話。オーレスンのある小学校で、生徒たちは、17日に、手作り国旗(右の写真)を使おうと決めた。その小学校は移民の子が多く、子どもたちの多国籍国旗発案を受けた学校側は、オーレスン市の建国記念日委員会に申し出た。委員会は、これまで通り、建国記念日の旗はノルウェー国旗に限ると決めた。

ところが、この決定がメディアで報じられると、国をあげて論争の的となり、とうとう委員会は再開。委員会は、その小学校が90周年記念につくった多くの国々の国旗がアレンジされた旗は使ってよろしいとなった。妥協案だった(その旗は左上の写真)。それを持ってパレードした小学生たちを迎えたのは、沿道の市民からの拍手、拍手、拍手。

こうした対話や議論の積み重ねなしに、平等社会ができるはずなどない、思う。

一方、わが日本の建国記念日は2月11日。神武天皇の即位した日だという。神武天皇即位の日を建国記念日にするのは変だという声が小学生や在日外国人から出ないほうがおかしい。

http://www.nrk.no/nyheter/distrikt/more_og_romsdal/1.11012215
http://www.nrk.no/nyheter/distrikt/more_og_romsdal/1.11032399
http://www.newsinenglish.no/2013/04/30/flag-conflict-waves-in-alesund/
http://www.nrk.no/ytring/min-17.-mai-1.11017226
http://www.newsinenglish.no/2013/05/17/17th-of-may-leader-defied-critics/

◆世界一民主的な国
http://frihet.exblog.jp/19256560/
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by bekokuma321 | 2013-05-18 22:11 | ノルウェー