3.11に考える

3.11がきた。重苦しい体に、筆舌に尽くしがたい悲しみをかかえて、今日を迎えた人がどれだけ多いことだろう。

この2年間、私にできることはほとんどなかった。2年前の5月、宮城県、福島県の各地に住む知人を頼って各地を回った。報道では決して伝わらない、強烈な臭いが私を襲った。

私は、3.11後、原発事故に怒り心頭だった。これを機に、原発開発政策を進めてきた霞が関の政治、それを受け入れた福島県、県下自治体に、政策の大転換があるだろうと考えた。

大熊町は人口わずか1万人。ここに第1原発1号機、2号機、3号機、4号機はある。原発誘致を議決したのは1961年だった。しかし、その後、スリーマイル島事故(79年)、チェルノブイリ事故(86年)が勃発。2度の世界的事故の結果、目の前にある原発を見て、震えあがった人も多くいただろう。とりわけ女性は、子どもの健康に不安を抱いたはずだ。地震や津波を頻繁に受けてきた三陸の人たちに危機感がなかったはずはない。

そういう住民の危機の声を反映するために選挙はある。しかし、である。この大熊町には町長選も町議選もなかった。投票なしに住民の代表を選んでいた。

無投票は大熊町だけではなかった。第2原発のある富岡町も同じく、町長も町議会議員も、無投票だった。驚くべきことだった。

第1原発5号機、6号機がある双葉町はどうか。町長選には3人が立候補したが3人が3人とも、原発の危機対応どころか、さらなる7号機、8号機の増設を願って選挙に出ていた。議員候補者は全員無所属、全員男性だった。

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事故後の朝日新聞世論調査によると、原発反対は女性の約7割に達した。しかし、物事の最終決定の場である議会には女性の代弁者はいない。女性の声は決定の場に反映されない。日本の議会はどこか狂っている。選挙制度がおかしいのではないか。

そんな思いに駆られている中、昨秋、私は民主党から衆院選に立候補してほしいと度重なる勧誘を受けた。選挙区は故郷の秋田3区。断っても断っても。悩みに悩んで立候補を決意した。理由の一つは、国の政策決定プロセスに女性の視点が必要不可欠であると信じていたからだ。都会に偏った政策から落ちこぼされてきた東北に骨をうずめる覚悟をした。

原発・エネルギー政策は、私はこう発表した。

「原子力発電は人間社会の手に余る科学技術です。もう依存状態を断つべきです。太陽光や風力、水力などの自然の力の利用こそ理想です。低エネルギー社会への方向転換や再生可能エネルギーの開発に心血を注ぐべきです。日本は、この壁を乗り越える知恵を持っています。また、秋田には自然エネルギーの大きな潜在力があります」

新聞に、「原発再稼働反対」を最も強く表明した候補者の一人と報道された。

原発は選挙の争点とはならなかった。もっぱらの話題は、民主党の党内混乱や公約破りへの不信だった。〝にわか党員″の私は、秋田3区の民主党代表として、党への猛烈な批判や非難を受けて立った。論駁もした。

結果は見ての通り。惨敗だった。そして今、安倍政権の下、原発再稼働へ、ギアが切られようとしている。

■原発ゼロ、政党内比率
http://frihet.exblog.jp/18392693/
■男性偏重政治がもたらす原発政策の弊害
http://frihet.exblog.jp/18384122/
■福島県いわき市の三重苦
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■郡山市ビッグパレットの女性たち
http://frihet.exblog.jp/16420384/
■福島県議会で耐震安全性を追求してきた女たち
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■福島原発と闘う3人の女性県議
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■チーム・ウルフ:女たちの支援
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■魚がない魚の町
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■宮城県石巻市へ
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■宮城の女性が語る被災体験 2
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■宮城の女性が語る被災体験 1
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■宮城県で女性の被害状況を聞く
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by bekokuma321 | 2013-03-11 13:49 | その他