2013年の田澤稲舟

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田澤稲舟は、1896年、その21歳の生涯を閉じた。私は、3月8日、彼女の生地、鶴岡市の図書館で、作品群を紹介・評論した何冊かの文献に触れた。

田澤稲舟は、樋口一葉と並び称される小説家だったという。しかし彼女の自己に忠実な生き方や、刺激的な作品は、死後も評価されるどころか、封印されていたらしい。その反逆者を丹念な研究で世に出した細矢昌武は、こう書く。

     
いなぶねは近代化する時代の側に身を置いて、
前近代的遺制家父長制や家族制度、結婚や家督相続に纏わる
男尊女卑等の封建思想を厳しく告発し、それに抗って自己主張し、
家族制度から独立した近代的自我の確立、恋愛、結婚、職業選
択の自由など、特に女性の立場から、それらの実現の基礎となる
経済的自立に重点を置く小説を残した。


上の日本画は、彼女の手になる1枚だ。鶴岡市図書館で許可を得て接写した。

どくろの上の書は、「あさましや、骨をつつめる皮一重 迷う身こそは あわれなりけれ」--強い意志がほとばしる。

3月8日は国際女性デ―。女性が女性であることを誇らしく思い、女性をバカにするすべてのことに怒る日だ。田澤稲舟の生き方は、この2つを体現しているようだ。田澤稲舟こそ、国際女性デ―に思い起こすべき女性に、もっともふさわしい一人だ。


■鶴岡市「2013 国際女性デー」
http://frihet.exblog.jp/19631405/

[田澤稲舟について、短い時間に深く接することができたのは、小泉信三(田川地区平和センター)さんの的を射た案内のおかげです。あつく感謝します]
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by bekokuma321 | 2013-03-10 23:34 | その他