第15回全国シェルターシンポジウム

10月13日、14日、大阪府阪南市で、「第15回全国シェルターシンポジウム」があった。今回の最大の収穫は「性暴力救援センター大阪」(加藤治子代表)のダイナミックな活動を知ったことだ。阪南中央病院内にあり、24時間体制で被害女性から相談を受け付ける。

さて、「性暴力裁判をめぐる状況~ある障がいのある女性のケースから~」という分科会に、私は、パネリストの1人として参加した。

「被害者が、実名を出さないで、こそこそ隠れていないといけないのはおかしいではないか」――森崎里美さんの声が、満員の会場に静かに響いた。

森崎さんの報告は、聞く人にまるで自分が侵されたような思いにさせた。会場は怒りに充ち溢れた。

ちなみに、この日、森崎さんは、秋の紅葉を思わせる黄色とオレンジ色のスカーフをまとっていた。魅力的だった。

森崎さんは、身体障がいを持つシングルマザー。会社の上司からセクハラ、性暴力を受け続け、それを裁判に訴えた。事件と法廷でのやりとりの詳細はブログhttp://satomi-heart.cocolog-nifty.com/blog/に詳しい。

私は、以下のように述べた。

■森崎里美さんの裁判は、自分の裁判のようです。ここには、弁護士島尾恵理さん、支援団の松下千代さん、木村民子さん、岡田けいこさん、金子譲二さん、坂本やす子さんなど、私の裁判を勝利に導いて下さった人たちがズラリといらっしゃいます。

森崎里美さん、よくぞ法廷に持ち込んで下さった。島尾さん、よくぞ弁護をお引き受け下さった。足掛け7年にわたる「館長雇止め・バックラッシュ裁判」を終わってほっと休む暇もなくのお仕事だったと思う。

そのおかげで私はたくさんのことを学びました。「弱い者いじめ」という日本社会の病理を、これほど鮮明に示している事件を私は知りません。森崎さんの受けた卑劣な被害を、私の言葉でまとめると、こうです。

①セクハラは支配構造から起きる。職場の上司という地位、健常者という地位、男性という地位にいる人物が、それらを徹底して悪用しておぞましいばかりの性暴力をふるった。(これは性暴力)

②加害者の係長は、あろうことか「なかったことにしろ」「会社にいったら契約更新はないぞ」と、加害行為の後、脅迫に及んだ。(これは心理的暴力)

③係長を告発するも、会社の部長やセクハラ相談室長は、加害者を罰するどころか、係長の性暴力隠しに回り、係長擁護を (こんなセクハラ相談室などないほうがいい)

④姫路警察に訴えるも、示談をすすめられるだけだった(性暴力は、人間にとって最もプライバシー性の高いところに土足でズカズカ侵入する行為だということがわかってない)

⑤裁判所に訴えるも、第一審は、この卑劣極まりない性暴力をまったく認めようとしなかった

⑥第二審(島尾弁護士に代わる)は、一部勝訴。ホテルに強引に連れ込んで剃刀を使っての悪辣きわまりない強姦行為のみ認めた。

⑦会社は、謝罪と慰謝を示す一端として森崎さんをどんなに手厚く処遇しても足りないくらいだ。なのに、正社員でないことをいいことに、「雇止め」にした (経済的暴力)

この事件の背後には、障がい者差別、 女性差別、 非正規職差別、という3重の差別がある。

だから・・・

雇用の基本は正規職、非正規職はなくすべし。
非正規職は、21世紀の奴隷制なのだ。
セクシャルハラスメントを禁止規定にするよう雇用機会均等法を改正すべし。
警察官、裁判官、教官への性暴力に対する研修を必須にすべし。
性暴力禁止法をつくるべし。
障がい者権利条約を批准すべし。


■バックラッシュ思想は女性のあらゆる権利を奪う(森崎里美さんの文章・写真)
http://frihet.exblog.jp/18175236/
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by bekokuma321 | 2012-10-16 00:34 | その他