小木曽元福井新聞記者の反原発運動から考える

c0166264_19205457.jpg今夏、埼玉県ヌエックで「男性偏重政治がもたらす原発政策の弊害」と題するセミナーがあった。パネリストの一人、福井県小浜市議の能登恵子さんが、1枚の資料を配った。福井新聞記者小木曽美和子さん(1936-2012)についてだった。

能登さんは、「小木曽さんは、この6月に癌で亡くなりました。反原発運動と女性というテーマは、彼女を抜きに考えれません」と言った。

資料によると、小木曽さんは早大政治学科修士卒業後、民主主義を立て直すには地方からの世論づくりが必要と福井新聞記者に。ベトナム戦争に批判的なメディアへの言論統制が始まり、マスコミ争議が多発。そのひとつ福井新聞争議で、婦人対策部長だった小木曽さんは、不当解雇される。

小木曽さんは提訴して解雇無効を勝ち取り、福井新聞社に復帰した。筆者も解雇され裁判をしたが、ついこのあいだのことだ。小木曽さんの提訴は今から40年前。女性の新聞記者はほとんどいなかった時代だ。どれだけ“村八分”にあっただろう。

70年にはいると、日本原電敦賀1号、関西電力美浜1号の運転が開始。ほどなく放射能放出や労働者被ばくが表面化する。原発に疑問・異議を抱く全県民の団体がなかったため、小木曽さんは、その組織化に動く。1976年に「原子力発電に反対する福井県民会議」創設に加わり、85年まで事務局次長、85年から事務局長。

さらに、小木曽さんは、社会党福井県本部書記長でもあった。1979年当時、全国初の女性書記長だったという。

1985年、動燃と国を相手に「もんじゅ」原子炉設置許可の無効確認と建設・運転差し止め訴訟を提訴。その原告団事務局長でもあった。

国の原発政策の反対運動の先陣を切って、76年間、走り続けた。彼女の連れ合い(夫)は事実婚で苗字が違っていた。さすが時代を超えた女性だ。

さて、東北6県で原発がないのは岩手と秋田だ。

貧しい自治体が、金ほしさに原発誘致をした、と言われているが、岩手も秋田も貧しさにかけては他にひけをとらない。なぜ2県に原発がないのか。大きな反対運動があったのか。

ネット情報によると、岩手県は鈴木善幸元首相の政治姿勢があったのではないかと書かれている。舘崎正二ブログに詳しい。

秋田県は、東北で初めて原発誘致宣言をした県だという。1960年のことだ。朝日新聞は「県では本県に『第二の東海村』も夢ではないと言っている」などと書いている。

そんな時代に、本庄市議・逸見久吉(共産党)は、原発反対の質問をした。1963年3月だ。由利本庄市議・さくさべ直のブログに当時の彼の質問が出ている。朝日新聞デジタル版にもある(こちらはじき消えるかも)。

どうも岩手と秋田が原発を免れたのは、「大きな反対運動があった」からでは決してないようだ。岩手や秋田には小木曽さんのような女性がいたという話も入ってこない。つまり、当時、「大きな原発誘致運動がなかったから」ではないか。

■小木曽美和子さんを偲ぶ会(左写真は、同会で映写された小木曽さんの在りし日)
http://www.youtube.com/watch?v=VW5SeC0mYUg

■男性偏重政治が原発政策にもたらす弊害
http://frihet.exblog.jp/18384122/

■「時代を駆ける」舘崎 正二 ブログ
http://blog.livedoor.jp/sho923utg/archives/51704009.html
http://blog.livedoor.jp/sho923utg/archives/51703736.html
http://blog.livedoor.jp/sho923utg/archives/51703454.html

■さくさべ直の日常活動記録
2011-07-27 原発誘致に反対意見
http://d.hatena.ne.jp/naoshi11/20110727

■朝日新聞:秋田と原発
http://mytown.asahi.com/akita/news.php?k_id=05000871203220002
http://mytown.asahi.com/akita/news.php?k_id=05000871203240001
http://mytown.asahi.com/akita/news.php?k_id=05000871203120001
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by bekokuma321 | 2012-09-10 19:28 | 紛争・大災害