男女平等は継続して闘いぬくこと:『ノルウェーを変えた髭のノラ』を読んで

c0166264_10162261.jpg5月下旬に訪れたオスロは、初夏を思わせる陽気だった。

待ちに待ったノルウェー訪問をした私を迎えてくれたのは、春闘だった。私の目の前で、賃上げのためにストライキをしている人たちがビラを配っていた。

「賃金闘争は女性の地位も上げることにもつながります。春闘は、私たちの権利にかかわるのです」

行政・改革・教会副大臣のTone Toftenさんが言った。政治のメインストリームにある人が、女性の地位向上を強調していた。

c0166264_10202514.jpgノルウェーに発つ前に読んだ『ノルウェーを変えた髭のノラ』(明石書店) に紹介されていた不断の闘いを続けるノルウェーの女性たちの姿を実際に見て、私は興奮した。

どこかの国とは雲泥の差だ。震災があったから女性の地位向上なんて後回し。男性も大変なのに男女平等なんて言っていられない等々、私は、被災地で耳にタコができるくらい聞いてきた。

それに日本では、労働者のストライキをネガティブにとらえる人が多い。しかし、働く人たち、女性の地位向上に敏感なノルウェーでは、ストライキによって市民生活に不自由が増えても、市民から「がんばれ!」とエールが送られることが多いという。

2012年4月現在、被災沿岸市町村のうち復興計画を策定済か策定予定の自治体は43。そのうち最終決定するために設置された委員会を設置している38市町村の委員の合計751人中、女性はたった84人で、11.1%にすぎない。女性委員ゼロが9市町村もあるという。

2010年出版の『ノルウェーを変えた髭のノラ』によれば、ノルウェーでは公的機関の女性率40%はほぼ達成し、今や、会社の取締役にクオータ制が導入されている。三井さんが『見わたせばあらッ男ばかり』を出版したのは1988年。それから四半世紀ほどが経っているのに、日本では、いまだに見渡せば男ばかりだ。お寒い限りの現状にため息が出る。

だが、地殻変動は少しずつ起きている。「かーちゃんたち、ねーちゃんたちがまずは立ち上がらなくっちゃ」と女たちが笑いながらネットワークを活かして復興を進めている。『ノルウェーを変えた髭のノラ』に書かれていた、女性が髭を書いて賃金格差解消を訴えたノルウェーのポスターに通じるユーモアだと、私は思う。

願わくば、ノルウェーのように、怒りをストライキに変えて闘う勇気と持続力を!

仙台市議会議員 ひぐちのりこ(写真上も筆者)
http://nohiguchi.jugem.jp/


参考
■ノルウェーの公務員のスト
http://frihet.exblog.jp/18010734/
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by bekokuma321 | 2012-07-02 10:03 | ノルウェー