速報 「地方議会に女性を増やすには」

c0166264_11185449.jpg6月10日、東大駒場で、討論会「地方議会に女性を増やすには」が開催された。ゲストは山口県本郷村からやってきた勝又みずえさん。

主催は「女政のえん」。16回目の今回初めて聴衆が50人を超えた。勝又さんは、新しい歴史をつくったといえる。その勝又さんのこれまでの運動は、女性議員増につなげるヒントに満ちていた。聞き手は私、三井マリ子。

恵泉女子学園大学園芸科を卒業後、勝又さんは、長崎で花屋さんを開業し、20年間切り盛りした。1985年40歳を過ぎてから本郷村の入村募集を読んで、一家で移り住むことを決意。当時1700人ほどの過疎の村に移住した。

10年後の1995年、村の人たちから「議会に出てほしい」と懇願されて、村議会議員選挙に立候補。当選を疑わなかった。ところが、あけてびっくり。何と21票。落選だった。「応援します」と言った人も入れなかったのでは、と疑心暗鬼に。

1995年といえば国連世界女性会議の年。山口県代表の1人として選挙前から参加が決まっていた勝又さんは、北京に出発。落選の失意をかかえての渡航だった。知人の後をついて歩くだけ……その行きついた先で、全国フェミニスト議員連盟が、ワークショップを開いていた。「そこで、この女性と会ったのです」と、聞き手の私を指さして笑った。目の前の女性たちを見て「こうじゃなくっちゃ駄目だ」と納得。

再立候補。票を倍増し47票に。3度目のチャレンジでは59票まで増えた。しかし落選。わずか5票差だった。

その間、村には産業廃棄物処理場建設が浮上。反対運動の副会長として、山口県に請願を出し建設却下をさせた。後に本郷村は岩国市に合併。本郷村初の女性候補は、本郷村最後の女性候補となった。

このような「女性ゼロ議会」は、本郷村だけではない。日本の地方自治体の4分の1にのぼる。

村の選挙は、候補者の家が選挙事務所になる。そこに親戚縁者が集まって飲み食いするのが慣例。選挙期間中も、外は静かなもの。女性候補も初めてなら、手作り選挙カーで、村中を回って公約を演説して回ることも初めての光景。勝又さんにならって選挙カーを回して訴える候補者が出るなど、選挙方法にも影響を与えた。

3度の挑戦と、国際会議での経験から、「クオータ制」こそ女性議員増の鍵だと確信する。2年前、男女共同参画第3次計画に「クオータ制」が入った時、政党にクオータ制をやる気があるかどうかアンケートを出した(全国フェミニスト議員連盟として)。返事が来ない。電話をかけた。「クオータ? そんな言葉が入っている? 何かの間違いでは?」。自民はもちろん民主までクオータ制には全く関心がなかった。会場に参加していた山口県選出平岡秀夫衆議院議員秘書が返事に窮して「勉強させていただきます」と。

今年は、女性ゼロ議会の長崎県西海市を訪問。DV男にストーカーされていた女性の母と祖母が殺害された事件のあった市だ。事件後初の議会を傍聴した。驚くべきことに、そのDV事件についての関連質問はなかった。質問のテーマはいのししだった。女性の命よりいのししのほうが大事だと考える「女性ゼロ議会政治」を見た。

しかし、勝又さんの経験でわかるように、都会などを除いて女性の当選は困難だ。女性は立候補すら難しい。女性議員ゼロの町に住む橋本ヒロ子さんの母親を訪問して、町会議員立候補を考えた時の話を聞く。昔、彼女は、「婦人会に、町の助成を切る」と言われて断念したという。

相模原市議会改革にとりくむ赤倉さん(男性)、千葉県柏市の田口さん(男性)、『婦人公論』元編集長の湯川さん(WINWIN)、千代田区議小枝さん、埼玉県八潮市議矢澤さん、東京大学職員黒野さん、「女性企業家・リーダー名鑑」著者伊藤さん、会社のセクハラと裁判官の女性蔑視発言を訴えた夏井さん、横浜市議会を一人で傍聴し続けてきた女性、などなど、会場発言が続いた。

「クオータ制特区」の実行、地方選挙の比例代表制への変革、女性排除の区割り慣行の撤廃、女性の組織化、ひとりでも取り組む覚悟、雇用や教育の場での女性の意欲を削ぐ言動の根絶……など多くの提案があった。



◆6月10日女性ゼロ議会撲滅に命をかけて:勝又さんのトーク
http://frihet.exblog.jp/18050064/
[PR]
by bekokuma321 | 2012-06-11 11:17 | その他