緑の党の全政策に女性の視点を

c0166264_0473431.jpg6月3日、文京区で、「緑の党」オープンフォーラムがあった。新しい政党の誕生に向けて、産みの苦しみの時期のようだった。

政策の「ジェンダー」部門は、船橋邦子さん(女性学研究者)、中村まさ子さん(江東区議)が担当だった。

そのたたき台のコメンテーターに招かれた。あらゆる政策決定の場を一方の性に偏らないーーそれを前提に進めてほしい、と次のように伝えた。   


☆☆☆☆ ジェンダーの視点を全政策に(スピーチ草稿) ☆☆☆☆

「緑の党」の目的であるSustainable Development(持続可能な発展)は、“Our
Common Future”(『地球の未来を守るために』)の中心的課題です。

この“Our Common Future”は、1987年、国連「環境と開発世界委員会」が発行したものです。委員長の名ブルントラントにちなんで、別名ブルントラント・レポートとも呼ばれています。

ブルントラントは、グロ・ハーレム・ブルントラントのこと。ノルウェー初の女性の首相です。彼女は、1986年、大臣の4割を女性にするという「クオータ内閣」を組閣し、当時の国際社会をあっと言わせました。

ブルントラントは、1980年代後半、環境保護を重視した開発が重要であるという理念と、政策決定には男女が半々近くいなければならないという理念を、同時に実践したのです。この2つの理念は、国丸ごと緑の党的といってもいいノルウェーの、基本的政治理念となって、今も続いています。

住民の半分以上を占める多数派の女性が、決定の場に参加できない現象を変えずして、マイノリティを大切にする政治などできるはずがありません。男性が大事だとか、女性が大事だとかいう問題ではなく、私たちの社会には、男女どちらの経験や価値観も同等に必要だということなのです。

ブルントラントは労働党でノルウェー最大の政党です。労働党から分派した「左派社会党」、農民党が発展してできた「中央党」も、労働党同様、環境政策に熱心です。よって、ノルウェーに「緑の党」はあるのですが極小政党です。「緑の党」の出番がないのです。

しかし、ヨーロッパ全体を眺めると「緑の党」の勢いは強いです。だいたい1980年代に創設され、選挙に打って出ています。

最も勢いがあるのはドイツで、1980年、当時の西ドイツで誕生しました。オーストリアは1986年です。両国ともフェミニズムと男女平等を基本理念に掲げています。

党内の決定の場に加え、選挙候補者名簿も男女が半々です。ドイツ緑の党は、SPDより早くクオータ制を導入し、ドイツの男女平等政治のさきがけとなりました。オーストリア緑の党も、党是の最優先課題のひとつは男女平等です。

さらに、欧州議会――ヨーロッパ連合EUの議会――の「緑の勢力」が強い。各国の緑の党から立候補した議員が当選しているのです。1984年は11議席しかなかったのですが、2009年には47議席に増えています。

その47議席中の14議席はドイツ緑の党出身で、男女比は7対7と半々です。緑の党は、欧州議会においても「ジェンダーバランスの政党」を掲げています。

以上から考えても、際立った男性偏重・女性排除の政治を持つ日本で、緑の党を新たに誕生させる今こそ、ラディカルで大胆な男女平等推進を高々と掲げるべきです。

それなしに、命や社会的弱者をサポートする公的施策は生まれえません。あらゆる政策の基本にジェンダーの視点を入れ込むこと――ジェンダー・メインストリーミング――がきわめて重要です。その上にたって、個別政策として「ジェンダー平等」を掲げるべきです。以下は、具体的提案です(左下・MOREをクリック)。





1)規約の目的に「平等」を明記すること   例:ジェンダーと多様性が配慮される平等社会

2)組織に「女性部(局)」を設置すること

3)私たちのめざす新しい社会ビジョン・前文の、望ましい社会に「男女平等」または「ジェンダー平等」の社会を含めること

4)私たちのめざす新しい社会ビジョン◆女性への差別をなくし、性別にとらわれず、
自分らしく生きられる に

―政財界をはじめあらゆる決定の場が男女半々になるよう、クオータ制導入を図る
―すべての政策・予算をジェンダーの視点で見直すため、「ジェンダー視点反映委員会」を新設する
―あらゆる分野の性差別を撤廃するため、「女性差別撤廃条約遵守プロジェクト」を政府に新設する
―女性が自立して生きられる社会にするために、「男女賃金格差100対37」を、目標年度を決めて解消する
―第1 子出産を機に女性雇用者の約7 割が離職する実態を解消するため、保育・労働環境の抜本的改正をする

5)基本政策5 ジェンダーに
(略)この「ジェンダー」に入れるべきではないかというテーマが、あちこちの政策に、散らばっている。ダブってもいいから、他政策に掲げた政策を、「ジェンダー」部門にジェンダーの視点を強調した表現で、再掲したほうがいいと考える。

三井マリ子(全国フェミニスト議員連盟)
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by bekokuma321 | 2012-06-06 01:00 | その他