豊中バックラッシュは国家的プロジェクトの一環だった:『バックラッシュの生贄』を読んで

c0166264_131365.jpg三井マリ子+浅倉むつ子 編著『バックラッシュの生贄ーーフェミニスト館長解雇事件』の感想を紹介する。今回は、宮城県の伊藤由子さん。

■■国家的プロジェクトの一環だった■■

「バックラッシュの生贄」を読んだ。フェミニスト館長解雇事件を通して、あぶりだされたものの深さ・広さ・酷さに、ため息が出る。

「すてっぷ」館長であった三井さんを追い詰め、執拗なまでに、彼女の行く手を阻んできたその勢力とその人たちの横暴な手段は、実は、国家的プロジェクトと呼べる組織的な動きの一環であったのだ、という思いを強くした。

実名でつづられた国会議員や市議会議員などバックラッシュ勢力の言動から、七生養護学校と三井さんの事件は直線でつながっているーーとわかった。事実は小説より奇なりである。

事件を解明すべく、しぶとく証拠を追い続けた三井さんと、彼女を支えた仲間たちの信念に脱帽!冷静に緻密に論を組み立てて、隠されていたことを“見える化”にしていった「首切りプロジェクト」年表は、たとえば過重労働・過労死など、権力を持たない側が反証してゆくときのモデルとして使えるのではないだろうか。

また、セクハラ・パワハラで悩んでいる女性たちに役立つと、この本を伝えていきたいと思う。セクハラ・パワハラは人格権侵害であるという立件をしていけるのではないかと思えるからだ。

三井さんはあとがきに、勝利できたのは、4つの奇跡があったからだと書いている。第一は超豪華弁護団に出会えたこと。第二は、ジェンダー法と労働法の権威者が一審の判決を論破してくれたこと。第三は、高裁で塩月秀平裁判長に出会えたこと。第四は、足かけ7年に及んで、全国と豊中市民の会が支えてくれたこと。

力を落とすような事件が多い中、このあとがきを読んで、元気が出てきた。まだまだ捨てたもんじゃない。この国には素敵な仲間がいっぱいいるんだと。

伊藤 由子(宮城県加美町議会議員)


■院内セミナー「 バックラッシュを跳ね返して新しい時代へ 」にどうぞ
http://frihet.exblog.jp/17916127/

c0166264_1325558.jpg6月1日(金)午後5時半
衆議院第2議員会館(国会議事堂前下車5分)

●「本裁判は21世紀の女性問題の教科書である」 紀藤 正樹(弁護士)      
●「横暴で執拗な言動に負けたのは誰か?」 浅倉むつ子(早稲田大学教授)
●「女叩きの張本人は誰なのか?」 上野千鶴子(東京大学名誉教授)      
●「平等社会をつくることは世界との約束です」 三井マリ子(豊中市男女共同参画センター初代館長)
[PR]
by bekokuma321 | 2012-05-27 12:57 | その他