再犯率の最も少ない国の刑務所

c0166264_15155647.jpgノルウェーの再犯率は16%だ。ヨーロッパで最も低いといわれている。世界で最も低いかもしれない(日本50%)。

なぜか? 囚人にやさしい国ノルウェーの政策にある。数年前NHKで放映された「未来への提言:世界一囚人の少ない国からの報告」を覚えている人もいるだろう。(関連記事http://frihet.exblog.jp/12497535/

そのノルウェーの犯罪政策が、昨夏の大量襲撃事件後、議論を呼んでいる。

厳罰化に向かうのか。いやそうではない、と、今日のBBCは、ノルウェー式「罪と罰」を、刑務所のあるバストイ島から報道する。BBCは、こうした自由と平等に基づいた解放的刑務所を、「ノルウェー王冠の宝石」と表現する。

まるでスイスの山小屋のような受刑者用住宅ーー刑務所ーーが島に点在する。そこで、強盗殺人や性暴力を犯した"凶悪犯たち"が、食事を自分でつくり、森や海辺を散歩し、職業訓練を続けながら過ごす。休日には自宅に一定期間戻ることもできる。一般市民の普通の暮しに近い日常を送る。

c0166264_15162222.jpgデンマーク人の囚人は、「ここが好きかと言われれば難しいです。でも、もしここが刑務所でないならば、休暇用の山小屋として市民に提供できるようなところだと言えます」

写真上がそれ。山小屋というより、私には立派な家のように見える。

ガンビア人の囚人は、「ボクサーだった僕は、毎日怒り狂っていました。ここに来てからは落ち着いて気持ちが楽になりました。実生活に役立つ職業訓練がいいですね。僕の精神の訓練でもあります。ここを出て一般の生活に戻れるように」

ほとんど、受刑者の自己管理にまかされているので、刑務所で監視・管理する公務員の数も、少なくてすんでいるという。

c0166264_17583791.jpgとはいえ、受刑者誰もがバストイ島刑務所に入れるわけではない。ここに移る受刑者の選定は、入念に行われる。原則は、刑期が終盤に近づいている受刑者で、ここの開放的生活は、さらに自分を向上させる、と受刑者自身が判断した人ばかりである、という。

ノルウェーの基本は、法務省当局によると、こうだ。

「ノルウェーの価値は間違っておらず、罰則に対しても間違っていない、と現在のところ考えています」

「つまり、初日から受刑者のリハビリテ―ションが始まります。ノルウェーでは、刑を終えた人は、あなたの隣人になることを、誰もが知っているのです」

日本は、犯罪政策もアメリカにならって厳罰傾向にある。死刑制度もゆるがない。しかし、再犯率の少なさ、監視や警備にかける人件費の少なさだけから考えても、ノルウェーをもっと学ぶべきではないか。

■Crime and punishment, Norwegian style
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-18121914
■写真はバストイ刑務所 上が居宅、中はパソコン訓練室、下は体育館http://www.statsbygg.no/prosjekter/prosjektkatalog/585_bastoy/index.html
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by bekokuma321 | 2012-05-19 15:20 | ノルウェー