今も続く右翼的攻撃の楯となる本:『バックラッシュの生贄』を読んで

c0166264_131365.jpg三井マリ子+浅倉むつ子 編著『バックラッシュの生贄ーーフェミニスト館長解雇事件』の感想を紹介する。

今回は、「館長雇止め・バックラッシュ裁判を支援する会」の世話人だった、名古屋の岡田ふさ子さん。


■■■ 今も続く右翼的攻撃の楯となる本 ■■■

最高裁で確定した、バックラッシュによる解雇事件を、原告自身がつづった本です。バックラッシュとは、男女平等の流れを押しとどめようとする流れのことです。

昨年1月、最高裁は、大阪高裁が下した判決――行政による数々のうそ、隠蔽工作、バックラッシュ勢力との裏取引(密約)などは原告三井さんに対する人格権侵害である――をすべて認めました。しかも判決は、男女平等に反対する政治勢力、すなわちバックラッシュ勢力が、三井さんたちに対して行った陰湿かつ組織的な言動を、驚くほど詳細に認定しました。これは、弁護士によると、日本初の歴史的判決です。

バックラッシュという言葉を、まだ知らない人も多いのですが、その中心は、「日本会議」を司令塔とする、改憲を狙う右翼的政治勢力であることは、この裁判ではっきりしました。2000年頃から、バックラッシュ勢力のターゲットは、男女平等推進政策となったのです。

この裁判を闘った三井さん本人によって、バックラッシュ勢力の横暴で、陰湿な手法が、息づまるタッチで生々しく描きだされます。

たとえば、デマ情報を流して市民に畏怖感を与えたり、机を強打して脅したり、自分たちの気に入らない講演を中止させたり、シェンダーフリーと名のつく書籍を図書館から撤回させたり、良質の性教育を中止に追い込んだり、条例を改悪させたり・・・。

日本列島を席捲したバックラッシュ攻撃ですが、その具体的方法や、それが自治体に与えた影響は明らかにされてきませんでした。それを、初めて明らかにしたきわめて意義深い出版物、それがこの本です。

地方自治体を中心に今もバックラッシュ攻撃は続いています。それへの楯となる1冊だと思います。

岡 田 ふ さ 子(ワーキング・ウーマン男女差別をなくす愛知連絡会)


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by bekokuma321 | 2012-05-19 09:20 | その他