●連載● クオータ制は平等社会への一里塚 第1回

●連載● クオータ制は平等社会への一里塚 第1回

あの国でも、この国でもクオータ制

                  三井マリ子(全国フェミニスト議員連盟国際部)

1週間前、列国議会同盟IPUのホームページを見てガックリきた。世界の女性国会議員率のランキングで、日本は187カ国中126位だった。125位のルーマニアと127位のハイチやモンテネグロ等の間にあった。昨年10月118位、12月122位だったが、さらに落ちた。

IPUは1889年創設の国際機関で、世界の国会に女性議員を増やそうと、統計を毎年発表してきた。今年3月8日の国際女性デーには、「政治に女性を増やす唯一の有効な方法はクオータ制である」と世界に公言した。

クオータは英語でquota。割当てという意味だ。女性議員を増やすために、候補者又は議員の数を、どちらかの性が4割以上でなければならないというように決める制度をいう。4分の1を意味するクオータ―quarterとは全く別物だ。

全国フェミニスト議員連盟は、1992年の創設以来、このクオータ制の導入を求めて運動を続けてきた。あれから19年、やっと今年、政府発行の『男女共同参画白書』にクオータ制が登場した。「2020年まで30%」という数字も明記された。

しかし、日本の政府には、クオータ制をどう実行するかの具体策がない。諸政党にも、クオータ制を実行しようという気運がない。それは、昨夏の当連盟ゼロ撲のアンケート調査で明らかだ(ゼロ撲とは「女性ゼロ議会撲滅キャンペーン」)。

一方、多くの国々がクオータ制の実施を法律で規定したり、政党の党内規約で決めたりしている。国会議員だけでなく、地方議会にも適用している国もある。女性議員率の高い国を見ると、ほとんどすべてが、なんらかの形でクオータ制を採用している。

女性議員率世界一の国ルワンダは、2003年に制定された新憲法に、「意思決定機関のすべてのポストの少なくとも30%を女性にする」と明記している。1994年のジェノサイド後、政党や人種を超えて、「Twese Hamwe (一緒に)」というスローガンの下で、女性の政治参加をキャンペーンしてきたのだという。こう語ったのは、ルワンダの弁護士アリス・カレケジさんだ。

アジアで最も女性議員率が高い国はネパールで、33.2%だが、この国の法律もクオータ制をうたっている。今年、アラブの国チュニジアは、憲法で50%・50%の原則を決めたという。国政選挙後、チュニジアがIPUの上位にランクインするのは間違いない。

クオータ制は平等社会へのエンジンである。その導入の歴史から現状までを探ってみたい。

(全国フェミニスト議員連「AFER」70号 2011.8.11 より転載)
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by bekokuma321 | 2011-08-30 23:08 | その他