『バックラッシュの生贄』を読んで

c0166264_131365.jpg4月初め、“オランダ・ベルギー、ルクセンブルク”に花のアート鑑賞に行ってきました。長旅は絶好の読書の機会です。今回は、旅のお連れに三井マリ子さんの『バックラッシュの生贄ーーフェミニスト館長解雇事件』を持っていきました。

あっという間に読み終わりました。ああ、そうだったのか、ああ、あれはこういうことを言っていたのか、といろいろ思い出しました。

後半の山本瑞枝事務局長が、「三井さんを裏切りました」と白状したあたりから、三井さんが豊中市や財団から追い詰められてやめさせられてゆく姿が目に浮かぶようで、涙がとめどなく流れてきました。同性である女性の部下の長期にわたる裏切り行為、市長の意を受けた幹部たちの隠密裏に運んだ三井潰しの日々、それを初めてさとったときの悪夢の瞬間―――胸に、ヒシヒシと伝わってくる内容です。嗚咽が続き、隣の席の人に気づかれたかもしれません。

実は私は三井さんの裁判を支えてきた一人です。7年間の裁判闘争の中では辛いこともありましたが、全国から800人もの人たちがこの裁判勝利をめざして、最後まで運動をつづけたことは、近来まれにみる女性運動だったのではないかと自負しています。

長く支えてきた裁判が、こうして本になった。それを読むことができてほんとうによかったと思います。豊中市に象徴される地方自治体の男性優位社会、女性を解雇することや女性の人権を蹂躙することなど問題視してない政治や行政。三井さんが裁判で訴えたがゆえに、そして、本を発行したがゆえに、白日のもとにさらされたのです。

上田 美江(館長雇止め・バックラッシュ裁判を支援する会元代表)
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by bekokuma321 | 2012-04-26 17:22 | その他