2011年ノーベル平和賞委員長スピーチ

ノーベル平和委員会の委員長トルビョルン・ヤーグランThorbjørn Jaglandのスピーチを要約する。なぜ3人の女性が選ばれたか、3人の女性を平和賞に選んだ意義を知る上で、極めて重要な内容だ。


■平和賞受賞式 委員長スピーチ(要約)

あなたがた3人の女性は、まさに、中国の言い伝え「女性は天の半分を支える」を示してくれた。

ノーベル平和賞委員会は、受賞決定に、「女性が、男性と同様の機会を持ち、社会のすみずみに影響力を与えることなしに、世界の民主主義と持続的平和を勝ち得ることはできない」とした。

現代の戦争の犠牲者の多くは市民、つまり女性たち、子どもたちだ。強姦は戦争の道具と化し、敵国のモラルを荒廃させる。

だから、現在、国際犯罪法廷は、強姦を戦争犯罪であり人道に反する犯罪と定義した。

国連の1325号決議は、史上初めて、紛争における女性への暴力は国際安全保障問題であると明記した。

しかしながら、各国間の平和交渉において、女性は、わずか8%しか交渉のプロセスに参加しておらず、平和合意書にいたっては、女性の署名はわずか3%である。国連が主導する平和交渉会議の代表となった女性は、これまで、誰一人いない。

エレン・サーリーフ大統領は、1325号決議を体現した女性である。彼女は1980年、投獄され、強姦の危機にさらされた後、亡命の途についた。そして、ルワンダのジェノサイド調査委員となった。リベリアは、世界最貧国のひとつであり、克服すべき点が山積する。しかし、サーフリーフが大統領となって大きな進歩がみられた。女性の教育程度が上がった。おびただしい強姦が減った。アルフレッド・ノーベルの平和賞の意図に、アフリカ初の女性大統領であるあなたほどふさわしい人はいない。

同じくリベリアのリーマ・ボウイー(ボーウィ)は、紛争の犠牲者であった女性たちを、平和構築の活動家へと変えたトラウマ専門家である。リベリアの15の地域において2000人を超える女性たちをネットワークし、戦争と暴力に反対する闘いを挑んだ。

女性たちは白いシャツを着て闘った。彼女は、異なった宗教、異なった民族の女性たちを連帯させる闘いをした。今、ボウイーのこの活動は、リベリアだけでなく、西アフリカ全域に及ぼうとしている。

タワックル(タワクル)・カルマンは、ノーベル平和賞で最も若い受賞者であり、初のアラブ女性である。イエメンは、女性の権利に関して世界で最も進歩の遅い国である。

アラブの春以来、カルマンは「鎖なき女性ジャーナリスト」という組織を創設し、抗議のシット・インや情報伝達キャンペーンを行っただけでなく、同じ闘いに加わるよう女性たちを訓練した。投獄され、拷問を受けても、彼女の強固な意志は変わらなかった。サーレハ大統領の圧政に抗して、民主主義、女性の権利、寛容さを求め、日夜闘いを挑んだ。

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      ノーベル平和賞の授賞式が行われるオスロ市庁舎。


■Award Ceremony Speech
http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/peace/laureates/2011/presentation-speech.html

3人の女性のスピーチ
■Ellen Johnson Sirleaf's Speech
http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/peace/laureates/2011/johnson_sirleaf-lecture_en.html
■Leymah Gbowee's Speech
http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/peace/laureates/2011/gbowee-lecture_en.html
■TawakkolKarman's Speech
http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/peace/laureates/2011/karman-lecture_en.html
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by bekokuma321 | 2011-12-11 11:43 | ノルウェー