イギリス:年金改革に抗議して公務員24時間スト

イギリスで11月30日、公務員労組が年金制度改革に抗議してストライキに突入した。24時間の時限スト。スト参加者は、学校、病院、裁判所、ゴミ収集、空港、救急医療関係、警察関係などに働く人、200万人規模だという。

BBCの「なぜストをしているのか」のなかから、2人の女性の声を拾う。

●保護観察官のタニア・バセット(34)
「今より長く働くことになり、より多く支払い、最後には今より少ない額しかもらえないのです。ストをしているのは、地方自治体の年金制度に深刻な影響を及ぼす予算削減を、政府が強行しようとしているからです。 私の例でいうと、年570ポンド負担が増えます。しかし、それが私の年金につながらず、政府の赤字補てんにまわされるのです。年金制度の本当の危機は、何百万人もが十分な年金対策を受けないまま、年老いて、経済的不安に直面することです。政府は、国民すべてに平等な年金制度を創設すべきです。われわれを最も貧しい層に陥れたりせずに」

●教員・講師組合メンバー、ジュリア・ニール(55)
「ストは、闘いの最後の砦です。年金積立に年120ポンド支払が増えます。政府が教員や公務員の年金を分捕ろうととしていることに驚きました。私は私のために闘っているのではなく、職業と教育のために闘っています。今度の年金制度改革は、この職業に就く人を減らし、被害者は将来の子どもたちなのです」

BBCは、また、よくある質問への回答を特集する。たとえば・・・

「子どもの学校が休みで、親が働かなければならない場合はどうするのですか」
「労使協定しだいだが、雇用されている労働者は、子どもの世話が緊急に必要な事態になった場合、休暇をとれる権利があります」

http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-15954967
http://www.bbc.co.uk/news/uk-13791255
http://www.bbc.co.uk/news/uk-15963670
http://www.bbc.co.uk/news/uk-15963719

イギリスでは、さまざまなタイプの職業人が組合を組織化し、その単組織が集まり連合体として大きく組織化している。だから、いざというとき、こうして、政府に立ち向かう力になれるのだろう。教員組合にも講師が含まれ、名称も「教員・講師組合」となっている。

BBCは、ストの意義や参加者の動機をきちんと報道する。数時間のストでも、いかに迷惑をこうむったかの視点からの報道が多い日本と、だいぶ異なる。また、学校が休校となった子どもたちが、親と一緒にデモ行進したり、「私のママは、年金制度改革に反対」などという横断幕を掲げて参加しているのも、日本とは大きく違う。

海外メディアは、イギリスのストライキをどう報道しているのだろう。ノルウェー国営放送NRKイギリス特派員の目のつけどころは、おもしろい。記事のさわりは、こうだ。

「30日のストは、250万人であり、1979年代以来最大規模である。これまで一度もストに参加したことのない学校の校長まで初めてストに参加した。アン・マリ・インウッド校長(女性)は『軽い問題ではありません。休校の決定までには悩みました。しかし、やらなければならない時があるのです。私自身、長いキャリアのなかで生まれて初めてストに参加しました』

ストはやむをえない・・・というような表情で、デスクに座っている校長の写真入り。

http://www.nrk.no/nyheter/verden/1.7896728
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by bekokuma321 | 2011-12-01 00:45 | ヨーロッパ