2011年 09月 13日
ノルウェー地方選:労働党と保守党の勝利
「エルナ、エルナ、エルナ!」 保守党(日本の自民党にあたる)の集会所に、党首エルナ・ソルベルグ(写真下の左)が到着した。
エルナ・コールはやまない。彼女はスピーチを始めることができなかった。まだ最終結果が出てない12日夜11時だ。しかし保守党が最大の伸び率となることが、ほぼ確実となっていた。
こちらも、若者たちの歓声がやまない。世界を震撼させたテロ事件以来、労働党への同情が広がった。事件後、首相の手腕が高く評価された。そうしたことから、労働党の勝利は予想されていた。
では、敗者は?
労働党と連立政権を組む左派社会党、中央党の2党が、労働党勝利の陰に泣いた。とくに左派社会党は、4%にやっと届くか届かないかまで落ち込んだ。同党の歴史上、最悪の結果となった。来日講演をしたこともある党首クリスティン・ハルヴォシェンは、「来春、党首を辞任します」と語った。
右派の進歩党も票を激減させた。進歩党は、国会では第2党。シーヴェ・ヤンセン党首(写真左の中央)の人気は上々。市長もとっている地方もあり、破竹の勢いだった。
しかし、7月テロ事件によって、移民排斥ととられかねない党の政策に距離を置く人が増えた。選挙戦で、彼女は、移民の人たちと積極的に話すなど、巻き返しをはかろうとした。だが、進歩党は今回、全政党の中で最も票を下げた。
9月12日深夜。国会に議席を持つ主要7党首は、悲喜こもごもの表情を見せて国会議事堂に集まった。政党党首7人のうち5人が女性。男女平等の国ノルウェーならではの光景は、日本から来た私にはまぶしかった。
7党首の記者会見。左から自由党(司会の後に隠れて見えない)、キリスト教民主党、進歩党、保守党、労働党、左派社会党、中央党。ノルウェー国会議事堂。
写真撮影FEM-NEWS