哀悼に包まれたノルウェー、ベルゲンより

ノルウェー在住のリングダール裕子さんから第4信です。

■宗教、肌の色、人種をこえてひとつになった

金曜日のテロが起こった時、実は恥ずかしながら私自身そうなのですが、『またイスラムグループのしわざだ』と思った人が少なくないと思います。ノルウェー在住のイスラム教徒の人たちも『またテロが起こった!どうかイスラム教徒のしわざでありませんように。』と非常に気がかりだったそうです。9.11以後テロと聞くと、イスラム教徒の仕業と思う人が多く、同時にイスラム教徒に対する大きな誤解も蔓延しているように思えます。ほとんどのイスラム教徒は平和を愛し、過激派のイスラム教徒によるテロ行為に心を痛め、同時に心ない人たちから脅かされている毎日を送っている人がいるのが現状です。

しかし07.22のテロ事件は、宗教や肌の色、人種をこえてノルウェーに住む人々を一つにしたようです。私自身労働党であるために、会ったことがないとはいえ、青年部の被害者に対し(亡くなった人たちも、生き延びた人たちも両方)、特別な気持ちを抱くようになったのも事実ですし、ベルゲンの街中にある追悼の場所、ブロースタイン(ブローは青、スタインは石)の所にいくたびに、「仲間」意識を抱かずにはいられません。

ところでもうすでにこれを読んでいる人たちは気随いているでしょうか。ノルウェーの放送を見るたびに、男性と女性のリーダーが同じくらい登場しているということを。首相と法務大臣は男性ですが、たとえば防衛大臣は女性です。また教育大臣、運輸大臣、厚生大臣、と、あげていったらきりがありません。普通男性が多い職場でも、なるべく女性を雇用するようになっています。その逆に幼稚園や看護の仕事場では男性を雇用しようとしています。例えばつい最近のことですが、国防省の女性の人数が少なすぎるということで(90%以上が男性)、25%を女性にしようと政府の中で声があがりました。

また、徴兵制度では、ノルウェー国籍を持つ18歳から44歳までの男性に限り、義務づけられていますが、女性は義務がありません。もちろん肉体的な差のためもあるかもしれませんが、兵役に応募してせっかく合格しても、後から気が変わり辞退してしまう女性が数多くいることは否めません。女性なら辞退する自由が会っても男性は義務づけられているので、結局女性兵士がごく少数になってしまうことになります。ただ、クウォータ制(注)に必ずしも賛成する女性が多い訳ではなりません。ある重職に着いている女性は、「私は自分の実力でこの地位を勝ち取ったのだ。クウォータ制は実力のある女性を見下すことになる。」といっています。

いずれにしても、日本に、少しずつ自分の実力を表に出せる女性がどんどん増えて行くことを心から願っています。今日はこのへんで。

哀悼に包まれたノルウェー、ベルゲンより
リングダール裕子(労働党ベルゲン、フィリングスダーレン支部)

【FEM-NEWS注:クウォータ制は「クオータ制」で統一している。FEM-NEWSの関連記事はタグの「クオータ制」を】

参考
■Norway's Muslim immigrants ponder future
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-14316670
[PR]
by bekokuma321 | 2011-07-29 02:18 | ノルウェー