テロ事件は人々の団結に

オスロに住む長年の友人、守口恵子さんからメッセージが届きました。守口さんは、これまで日本の視察団をお連れしたとき、ノルウェー語・日本語の通訳者として八面六臂の活躍をして下さいました。


■事件は力づよい団結に生まれ変わるだろう■

テロのニュースにショックを受けています。私も官庁街は良く知っていて、特に去年と今年は、日本からのお客様と法務省にも何度も行きました。巻き込まれてなくて幸いでした。今は本当にやるせない気持ちでいっぱいですが、この事件でノルウェーは強くなるのではないか、とそんな気がします。

事件は、ヨーロッパのイスラム化を危惧する人物の仕業でした。多様な文化をインテグレートさせていこうとする労働党をターゲットにしたものでした。

事件後、個人的に私はこんなことを感じていました:イスラムを毛嫌いしていた人達や、人種差別的な発言をしたり、排他的な意見をもつノルウェー人が、今度はお灸をすえられたような感じではないか・・・キリスト教の身内からこんな事件を起こす人が現れて・・・穏健派のイスラム教徒たちはきっとほっとしたことだろう、などなど。

この3,4日の報道を聞く限り、私が予期していたような宗教的な発言はまったくというほどでて来ず、この悪行に対する復讐は、「民主主義を貫き、より開放的な、寛容な社会を作ることだ」と一貫した宣言を、国王、首相、法務大臣、オスロ市長などがしています。宗教に関連した発言を得ようと、レポーターが誘導的な質問をした時に、警察庁の代表が「それはあなたの解釈だ」とその質問に答えず、「人間というものは、えたいの知れないものだから」とかわしました。労働党の事件に対する対応は、高く評価されているようです。

ノルウェーの各地で、昨夜、集会が開かれました。驚くほど大勢の市民が参加しています。被害をこうむった人達に対し、いたわりを示し、団結、によってノルウェーは力強く生まれ変われる、と市民が意思表示しているのです。そこには多様な人種の人々が共にいました。彼らは、「これを機会にノルウェーはひとつにまとまることが出来る」と述べています。

ターゲットにされた労働党の青少年サマーキャンプキャンプで母親を亡くしたばかりの娘が集会のひとつで話をしました。「非道な犯行を行なった加害者を憎むのではなく、皆さんの周りで悲しむ被害者たちにいたわりを示し、たくさんの愛情で団結しましょう」と発言したのです。これは、驚きでもあり、感動でもありました。犯罪者に対する刑罰の厳刑化や、死刑の導入の話題などは出ていません。

守口 恵子(在オスロ、通訳・翻訳者)
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by bekokuma321 | 2011-07-26 09:09 | ノルウェー