2011年 07月 24日
テロ事件の背後に
テロリストの弾丸の的となった人の多くは、労働党青年部AUFの政治キャンプに参加していた10代の若者たちだった。幸運にも生きのびた人の中には15歳の女性もいるなど、日本でいう中高生たちだ。(まだ行方不明のJohannes Buø は14歳:追記)
労働党青年部AUFは、労働党を支持する若者の組織ではあるものの、党の傘下に位置する下部機関と考えると誤解を招く。むしろ独立した組織と考えたほうがいい(左上はロゴ)。
ノルウェーでは、中学生でも政党党員になる若者がいる。学校当局は生徒たちが政治的意見をかわすことに寛大だ。奨励もする。選挙権は18歳からだが、16歳に改正しようという動きが活発だ。この運動を担っているのは、中高生である。事件当日、全国から800人もの若者が労働党青年部のキャンプに参加していたというが、みな自主的参加である。これは、毎年行われる恒例の行事なのだ。(参考:ノルウェー労働党青年部の夏合宿)
一方、このテロ事件で現行犯逮捕されたアンナス・B・ブライヴィック(Anders Behring Breivik)の弁護士が選任された。弁護士名はGeir Lippestad。オスロの北にあるノールストランの労働党副代表だったという。
リッぺスタ弁護士は、「彼は犯行を認めた。殺人は残酷なことだったが、必要だったと語った」と述べた。
容疑者が書いたとされる、「2083 ヨーロッパ独立宣言」が公表された。1500ページにのぼる戦争宣言。アンドリュー・ベルヴィックAndrew Berwickという著者名を使っている。テロの動機解明のひとつとなるだろう。
ノルウェーに死刑はない。囚人の権利も、日本とは比較にならないほど尊重されているといわれる国だ。裁判の行方が注目される。
NRK– Breivik erkjenner massedrap
http://www.nrk.no/nyheter/norge/1.7724809
「2083 ヨーロッパ独立宣言」
http://www.kevinislaughter.com/wp-content/uploads/2083+-+A+European+Declaration+of+Independence.pdf
■未来への提言「世界一囚人の少ない国からの報告」
http://frihet.exblog.jp/12497535/