祇園祭と女人禁制

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7月15日夜、祇園祭りと女人禁制について、(財)南観音山保存会の役員の方々に取材した。

祇園祭は869年から続く京の祭り。15日は祇園祭の宵山の前日で、宵々山と呼ばれる。女人禁制の伝統を破った山鉾が2つあるという。そのひとつ南観音山を追って、中京区の新町通りまで来た。300円の参拝料で山車の上部の囃子方のほうまで登れるとあって、観光客でひときわごったがえしていた。

「囃子方への女性参画に異論がある」

c0166264_1515415.jpgまず小西博之さん。
「男、女ということではありません。祭りの伝統を守り、存続するために……。仕事のかたわらみなボランティアで動いてきました。大変な努力をしてきたのです」

「囃子方に女性がはいったのは、だいぶ前から。囃子方が決めたことで、異論はあります。財団の理事は10人ぐらい、評議員は12人ぐらい。理事は全員男性、評議員に女性が1人います。互選で選ばれます。男だ女だと聞かれることは、あまり……」

もう1人の理事、木村正之さんは、こういう。

「ここの町内でずっと働き住んできた人たちが、その町内の発展・存続のために決めてきたんで、男女でどうのこうのということはないんです」

「学者さんたちが、昔、(祇園祭の山鉾に)女性がいたとか言っていますが、それが女性だったとは限りません。男性が濃い化粧をして女装したという説もあるんです」

「自然なんです。男性しかできないんです。たとえば…ですね…(長い間考える)。私がこういう役目でいつも忙しく外に出ていたら、家のことは女性がしなければならないわけです。外から見たら……いろいろあるでしょうが、町内に長いこと住んでみたら、わかります。住んでみてください」

「(女性の参加は)うーん、将来的にそういう流れになるかもしれませんね」

小西さんも、木村さんも、男女という区別はないのだと力説はしていた。しかしながら、男性だけの伝統を守りたいようだ。

次は、南観音山保存会のたった1人の女性役員である小島富佐江評議員。京の香り豊かな町屋のご自宅を訪ねた。小島さんは京町屋再生研究会事務局長として活躍中でもある。

「美は、まざることによって薄れる」

「絶対にゆずれないものがあります。役割です。女性は古来から常に男性のできないことをしてきました。表に出るのは男性ですが、女性がいなければ祇園祭はなりたちません。ずっと下支えしてきたのです。男性には男性の、女性には女性の……。私の父が役員でしたが、亡くなったため母が役員になり、その後、娘の私が評議員になりました」

「鉾上で祇園囃子を演奏する人たちを囃子方というんですが、ここは職方だったのです。つまり有給でした。今、お囃子方に女性が入っていますが、町衆は賛成というわけではありません。あそこはとても狭く、8畳ぐらいでしょうか。暑く狭い中、朝9時から昼2時まで、お囃子をしながら、ずっとそこに10人ほどいるわけです。女性だと、トイレの問題もあります」

「美意識ですね。まざることによって(美が)薄れるように思います」

南観音山の本尊は女性だという言い伝えに即し、女人禁制を解いたのか。それとも国連からのお達しや国際的な男女平等の流れに即して女性を入れたのかーーと私は考えた。

だが、現実はそうではなかった。囃子方が不足していたためやむなく女性が入ったらしかった。その上、女性はこれまで通り裏方で支えてほしい、という。残念ながら本心は、女人禁制の維持だった。

伝統を守りながら女性を排除しない方法はある

c0166264_15215875.jpgしかし、である。売り子さんなどどこを見ても少女や女性が汗を流して頑張っていた。それに1996年、女性だけの山鉾、「平成女鉾清音会」も誕生した。しかし観光地図には載ってない。1000年の伝統を守りながら女性を排除しない方法は、きっとある。それこそ、京都を国際的に発展させる秘策だと思う。

まずは、「平成女鉾清音会」が、他の山鉾と同様にその存在を認められ、観光地図にも掲載される日が一日も早くやってくるように!

てんやわんやの時間帯に、貴重な時間をとって質問に真摯に答えてくださった南観音山の3人に心から御礼を申し上げたい。ガイド役のふじみつこさんには大変お世話になった。

京都観光http://www.kyokanko.or.jp/3dai/gion.html
京都新聞祇園祭2011 http://www.kyoto-np.co.jp/kp/koto/gion/gion.php?mode=m
平成女鉾清音会http://www.onnaboko.com/
南観音山http://www.minakan.com/
函谷鉾http://www.kankoboko.jp/kankoboko/
「大峰山女人禁制」の開放を求める会 http://www.on-kaiho.com/index2.html


◆「非常勤は21世紀の奴隷制度」――祇園祭の京都で「2人のマリコ」裁判報告会  2008/07/29 (さとうしゅういち)
http://janjan.voicejapan.org/area/0807/0807262913/1.php
◆祇園祭の京都で24日、非常勤女性「2人のマリコ」裁判報告会  2008/07/19 (さとうしゅういち)
http://janjan.voicejapan.org/area/0807/0807172167/1.php
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by bekokuma321 | 2011-07-17 15:24 | その他