福島県議会で耐震安全性を追求してきた女たち

c0166264_2240432.jpg5月30日、福島県議会で補正予算案をめぐる部長説明会があった。その後、議員控え室で、宮川えみ子議員(共産)の話を聞いた。

宮川議員は、「事故後、福島県からどっと子どもがいなくなりました。放射能汚染を心配した親たちが脱出したんです。でも、原発は麻薬と同じなんです」と私に言った。地震津波で壊滅的被害を受けた、いわき市選出だ。あの日以来、視察、調査、救援、申し入れと休むことがなかった。それでも、ニコニコ、疲れを見せない。

実は、宮川議員は、あの日のちょうど1週間前の3月4日、議会で、原発の定期検査期間延長は危険だと指摘したばかりだった。

そして、あの日から3カ月前、宮川議員は、原発の不安について議会で同様の質問している。定期検査中の6号機と運転中の5号機のケーブル取り違え、第1原発5号機で自動停止、原子力圧力容器の最低使用温度計算での誤り発表…など事故の例をあげ、引き続く原発不安にどう対処するかと質問した。さらにプルサーマル導入による不安の増大、その上、原発の増設の不安に言及した。

彼女は、「地震の活動期に入っている日本列島の中で、不安の延長は許されません」と言い切った。3.11の3か月前である。

しかし、佐藤雄平知事は彼女の質問に答えなかった。担当部長はといえば、「県民の安全・安心を最優先に慎重に対応してまいるとともに、将来を見据えた個性的で活力に満ちた電源立地地域の実現に取り組んでまいりたい」と、空念仏を唱えるだけだ。

その半年前にも、彼女は、プルサーマルの強引な推について知事を批判した。しかし、知事は、プルサーマル受け入れは耐震安全性が満たされたからだ、などと危機感のない言葉を繰り返すだけだった。

福島県議会共産党議員は宮川議員を含め3人。みな女性だ。神山悦子議員は、1999年当選以来3期目のベテラン。彼女を先頭に、2007年、耐震安全性について東電に書面で申し入れをした。その書面には、「チリ級津波が発生した際は、冷却海水の取水ができなくなる。崩壊熱を除去するには、冷却系が働かなければ過酷事故に至る」と明記されている。今回の事故をきちんと予測しているではないか。

c0166264_22532813.jpg福島県議会は、共産党を除く全党が知事与党だという。知事佐藤雄平は、民主・社民が推薦している。女性3人が、唯一の野党議員として執行部案を批判する構造ーーそれが福島県議会だ。

今、東電は、空前の大事故の対応に追われている。しかし、原発への安全対策をとるよう何度も指摘してきた3人の声に耳を傾けていたら、少しは違っていたはずだ。福島県はなんと10基も原発を誘致しながら、安全策を訴える議員の声を無視してきた。

福島県議会の過去の質疑から、当局は女性や少数政党の声を圧殺してきたことがはっきりと読み取れる。

一方、プルサーマルの後は7号、8号機増設だと、原発推進路線をひた走ってきたのは自民党県議団など与党だ。谷垣党首は、まず自らの頭のハエを追い払ったほうがいい。

 
【写真:上は電話相談を受ける宮川えみ子議員。下は女性3人対男性約30人の説明風景。5月30日、福島県議会】

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http://frihet.exblog.jp/16111360/
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by bekokuma321 | 2011-06-03 22:31 | 紛争・大災害