高木仁三郎のいう「ある種の政治的圧力」

朝日新聞が、ようやく高木仁三郎さんの名を出した。この国のメディアは、ことここに至っても原発推進派と原発擁護派しか出さないのかと怒っていたが、やっと出た。


■3月30日朝日新聞朝刊『天声人語』より引用

多くの学者が国策になびく中、脱原発を貫いた高木仁三郎(じんざぶろう)氏がご健在ならばと思う。

11年前、亡くなる年の講演で「私はそもそも、原子力は電力として使うには無理なエネルギーだと感じていました」と語った。「それがある種の政治的圧力により、強引に電力供給の主流に乗せられようとした」

科学とは、市民の不安を共有し、その元を取り除き、人々の心に希望の火を灯(とも)すものであるべきだと、氏は力説した。

電力業界は論敵の視座から出直すしかない。「最悪」を免れ、原発という科学が残ればの話だが。(引用ここまで)

高木さんのいう「ある種の政治的圧力」を知るには下記のドキュメンタリーがわかりやすい。

★[NHK 現代史スクープドキュメント]
原発導入のシナリオ ~冷戦下の対日原子力戦略~
http://g2o.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-b5b1.html

広島・長崎の原爆被害に加え、第5福竜丸の放射能汚染事件をかかえていた日本。戦後長く、反原発運動は強かった。それに対して原発を進めたいアメリカは、心理作戦を画策する。「日本では新聞を抑える必要性がある」と、メディア抱き込み工作をする。そして読売新聞社主であり国会議員の正力松太郎とのコネを使ってPRキャンペーンに動く。「原子力の平和利用」の名のもと、“原発アレルギー”除去を成功させる。東海村実験炉スタートまでの日米の動きがわかる。正力松太郎は原子力委員会の初代委員長。

有馬哲夫『原発・正力・CIA―機密文書で読む昭和裏面史 』(新潮新書、2008年)も、アメリカと正力松太郎との工作関係に奥深く切り込んでいるという。
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by bekokuma321 | 2011-03-30 09:25 | 紛争・大災害