国際女性デー「クオータ制シンポジウム」

3月8日、国際女性デー当日、東京でクオータ制の議論が熱く語られる会が催された。国際女性デー記念シンポジウム『世界118位の現実:クオータは突破口となるか?』
    
私は参加できなかったためインターネット配信で視聴した。概要は次のとおり(敬称は省いた)。

まず基調講演は、憲法学者の辻村みよ子(東北大学大学院教授)。世界でのクオータ制を含むポジティブ・アクション(積極的差別是正措置)の現状を詳しく解説し、クオータ制の導入には国民の合意形成が大切さだと強調した。

c0166264_2211164.jpg 学者、議員、運動家、学生、一般、報道と非常に多様な分野から多彩な発表者を迎えていた。

申琪榮(お茶の水女子大学大学院准教授、ジェンダー研究センターセンター員)、小宮山洋子(衆議院議員,民主党,厚生労働副大臣)、橋本ヒロ子(十文字女子大学教授,国連女性の地位委員会日本政府代表)、福島みずほ(参議院議員,社民党党首,元男女共同参画担当大臣)、円より子(前参議院議員,民主党)、木谷宏c0166264_2321137.jpg(麗澤大学経済学部教授,食品会社元CIO(最高情報責任者))、越堂静子(ワーキング・ウイメンズ・ネットワーク(WWN)代表)、三田資子(一市民)、竹生悠子(学生、上智大学国際教養学部)、竹信三恵子(朝日新聞編集・論説委員)

c0166264_2364726.jpg司会は三浦まり(上智大学法学部教授,グローバル・コンサーン研究所所員)。タイムキーパーとして大活躍だったが、まとめる言葉の端々に当日までの入念な準備、この会成功への強い使命感が感じられた。

報告はどれも傾聴に値する内容ばかりだった。中でも韓国のクオータ制とその評価について話した申さんの報告が非常に学ぶ点が多かった。政党こそが女性議員増の障害だ、政党を変えようという鋭い指摘にも、うなづける。木谷が公表した日本生産性本部による数字「取締役は2.6%、管理職は5.8%」という女性率にあらためて怒りを覚えた。

また会場発言をした西武節子が、「2011女性と政治キャンペーン」チラシを掲げ日本の地方議会の4分の1に女性議員が誰もいない、と訴えたことも印象深い。

下記よりユーストリームで実況中継が見られる。短時間にもかかわらずそれぞれの分野からいかにクオータ制導入が必要かが強調された。
http://www.ustream.tv/recorded/13172852

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上は「クオータ制によって直接的にかつ明確に女性は増えた」と言いながら見せた韓国の女性議員の激増を示す棒グラフ。申提供。

1980年代に初めてクオータ制を紹介したころを思うと隔世の感を覚える。1992年からは全国フェミニスト議員連盟が、その主たる目標に40%クオータを掲げ長年運動を続けている。会員としても個人としても、このような会が持てたことに感動した。パネリスト出席のかなわなかった私は、メッセージを寄せさせていただいた(下記Moreに掲載)。

人物写真は上から福島、越堂、竹生。すべてユーストリームより。大手マスコミが報道しない中、ネットで視聴できるようにしてくださった笹倉尚子記者に感謝する。


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2011女性と政治キャンペーン
全国フェミニスト議員連盟



■クオータ制発祥の地ノルウェーから(クオータ制シンポジウムへのメッセージ)■

三井マリ子(全国フェミニスト議員連盟)

寒いノルウェーからホットなニュースをお届けします。今、私はクオータ制発祥の地ノルウェーにいます。

ここはフィンマルクというノルウェーでも最も北極に近い県です。とびッきり寒い所です。北緯70度です。このキルケネス空港に降り立った時、零下28度でした。しかも横殴りの強風です。

厳しい気候ですが、空港のあるスール・バランゲル市は、市長が44歳の女性、行政トップも女性、議会の52%が女性です。隣接する市も軒並み女性議員が40%以上です。なぜでしょう。

比例代表選挙の下、各政党の最も重要な規則(党の法律といいます)が、「選挙候補者は一方の性を40%以上にしなければならない」とうたっているからです。たとえばノルウェーの最大政党・労働党は、党の法律で「男女比率は50%にすべし」と定めています。これがクオータ制です。詳しくは次のように表現されています。

「すべての選挙制度や任命制度において両性は50%でなければならない。理事会や委員会のメンバー数が2で割りきれない場合には、両性の割合が50%に近い数字でなければならない。国会議員、県会議員、市議会議員の選挙では、候補者の1、2番は両性に割り振られなければならない。」

70年代から政党は自主的にクオータ制を決めました。明文化して確実に実行してきました。政界は限りなく男女平等に近づきました。そして今や、経済界の男女平等がテーマなのです。

先日訪ねたフィンマルク県ヴァドソー市に株式会社イノーベイション・ノルウェーで、ちょうど取締役会が開かれていました。大きな横長の丸テーブルを囲む取締役12人。その半数6人は女性でした。同社は社員700人のコンサルタント会社です。代表は語ります。

「わが社の事業の優先課題は、女性の力をどう企業に生かすかです。アドバイスを求めてきた会社で、取締役や幹部に一方の性が40%以下しかいない、とします。私たちは『あなたの会社の事業は支援しにくいですよ』と宣告します。女性だけとか男性だけ、なんていう会社もありますが、そんな経営者には、支援順位が下がることを知っていただきます」

「ノルウェーは小さな国です。他国に負けない競争力をつけようとしたら、頭脳を使うしかない。それなら、ノルウェーの知力の半分を担っている女性を、有効に使うべきです。でも、この話25年以上も前に起きたことなんですよ」

男女平等は、民主主義の要請でもあるのです。クオータ制を日本にも根づかせましょう!
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by bekokuma321 | 2011-03-11 02:52 | その他