北極に最も近いバルドー市も女性議員は約4割

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今日2月28日、フィンマルク県の地元紙に、バルドーVardø市労働党の候補者リストが掲載されている。男性と女性がにこやかに笑っている写真つきだ。写真の男性はリスト1番目に載っているロバート・イエンセン、女性は2番目のエバ・リサ・ロバートセン。

バルドー市は、バーレンス海に面するノルウェーで最も東にある地。北極がすぐそこだ。寒いだけではない。立っていられないほどの強風が容赦なく吹きつける。零下10度程度でも、強風のため体感温度は零下20度以下になる。こんな悪天候の下でいったいどうやって選挙運動をするのだろう。

心配ご無用。ノルウェーは比例代表制だ。候補者一人一人に負担はほとんどない。政党は、それぞれの補者選定委員会で候補者リストを決めると、マニフェスト作りにかかる。選挙は、候補者ではなく政党を選んでもらうのだから、政党アピール運動が中心だ。市民は、支持する政党を持っている人がほとんで、主な関心は政党が決める候補者リストの順番だ。

比例代表制の選挙は、得票数によって何人当選するかが決まる。基本的には上から順番に当選していくから、得票数の少ない政党でも、1番、2番はほぼ安全圏だ。安全圏に女性が多ければ女性議員数が増える。

投票日は9月だが、公職選挙法は、政党に候補者リストを3月31日まで作成しなさいと決めている。だから、ちょうど今の時期が、政党の最も忙しい時期にあたる。どの政党も、候補者リストを、候補者選定委員会、そして県ごとの政党・党大会を開いて決める。世話役になっている人たちは、最後の調整にかかる。

バルドー市は、投票日の半年以上前に市議、市長、副市長が決まったようなものだ。なぜならここは、圧倒的に労働党が強く、市議会議員は19人のうち現在13人が労働党だ。おそらく9月の選挙でも、労働党リストの13番、14番目くらいまでが当選するだろう。市長、副市長は議員内閣制方式で選ばれるため、労働党リストの1番目が市長候補者、2番目の候補者が副市長となる。今日の新聞で、ニコニコしている男性が市長で、女性が副市長になることがほぼ確実だ。

バルドー市は、女性議員が36.8%を占める。最大政党の労働党は、女性が44.4%。バルドー市は、日本でいえば北海道の最北の地にあたる。日本の場合、女性議員はだれもいないか、いても1人か2人…。一方、ノルウェーは「僻地」と言われるこのような土地でも、女性議員の多さでは他とひけをとらない。

政党の憲法(日本の政党綱領にあたる)にそのカギがあった。労働党憲法12項の9にはこんなふうに書かれている。

「すべての選挙、任命において、両性は50%でなければならない。理事会や委員会において、2で割れない場合、両性の割合は50%に近い数字でなければならない。国会議員、県会議員、市議会議員の選挙では、候補者の1番、2番は両性によって割り当てられなければならない。」

ノルウェー最大政党である労働党は、50%クオータを実行しているのである!!

AP/Partiets-vedtekter(2015.8.30更新。上記の両性が50%ずつは13条10に明記されている)

上の写真は北緯70度32分、東経31度6分のバルドーVardø市の筆者。撮影したのは、地元NRKのクート記者。横殴りの強風のため立っていることも難しい。この日はマイナス10度前後だったが「強風によりマイナス20度以下だろう」とクート記者は言った。
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by bekokuma321 | 2011-03-01 07:32 | ノルウェー