会社のトップにどうやって女性を増やすか

フィンマルク県ヴァドソー市に、株式会社イノーベイション・ノルウェーを訪ねた。会社の取締役会が開かれていた。明るく清潔な部屋。大きな横長の丸テーブル。取締役12人が意見を出し合っていた。そのうち6人が女性だ。

外はマイナス11度という冷蔵庫と冷凍庫の間のような厳寒の地ヴァドソー。しかし、一歩社内に足を踏み入れると、温かく快適だ。ワイシャツだけの人もいる。今日の取締役会議では、フィンマルクでサーモン工場を新設したいという某会社にどう支援できるかの方針を決める。

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  [男女半々の取締役会議。右手前の女性はフィンマルク県副知事。2月22日午前9時。イノーベイション・ノルウェー会社▲]

イノーベイション・ノルウェーは、2004年、地方政府、私企業、労働組合、教育機関の知恵を集めて、技術の進歩と国際化にふさわしい産業を育成するために新設された。社員700人以上を擁する中央政府出資の会社で、本社はオスロ。国内全県に支社を持ち、フィンマルク県はここヴァドソーに支社を置く。過去のノルウェー観光局、ノルウェー貿易機構、ノルウェー地域産業振興ファンドなどが統合されてできた。

英語の堪能な相談役のヘルランドさんに取材した。「イノーベイション・ノルウェーの最優先課題のひとつは、女性の力をどう産業に入れるかです」と強調する。では、どうやって女性を決定場に増やすのか。

「たとえば、アドバイスや支援を求めてきた会社の決定機関に一方の性が40%以下しかいないとします。われわれは、あなたの会社の事業は支援しにくいですね、とお話するのです。ええ、中には女性だけ、男性だけの事業が持ち込まれることがあります。目的によっては、一方の性だけの場合もありえますが、支援順位が下がることを知っていただきます」と具体的だ。

「ノルウェーはとても小さな国です。どうしたら、他国に負けない競争力をつけられるかを考えた結果、知恵だという結論が出ました。そして、ノルウェーの知恵の半分を持つ女性をもっともっと生かさなくてはとなったのです。いや25年以上前の話です。そのことを僕たち男性が理解するには時間がかかりましたよ」

ノルウェーは、物事を決めるには男女がそれぞれ40%いなければならないという制度を持つ。性による割り当て、いわゆる「クオータ制」だ。政治分野でのクオータ制がほぼ達成され、今、ノルウェーは産業界のクオータ制に力を入れる。


ネットで読める関連記事:
■「ノルウェーで女性重役旋風 私企業にもクオータ制導入の動き」http://www009.upp.so-net.ne.jp/mariko-m/nor_jjyoseiyuyaku.html

■現地ルポ 「ノルウェー民間企業の取締役は4割が女性!!」の背景を見るhttp://www.news.janjan.jp/world/0812/0812173697/1.php

産業界や政界のクオータ制についての本:
『ノルウェーを変えた髭のノラ』(明石書店)
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by bekokuma321 | 2011-02-24 11:21 | ノルウェー