2010年 12月 11日
ノーベル平和賞
平和賞委員会のヤーゲラン委員長は、スピーチで次のように述べた。
「本来ここにいるべき受賞者・劉暁波は、現在、中国の監獄に閉じ込められている。このこと自体、彼への平和賞授与は適確だった、ことを示している」
「1935年のカール・フォン・オシエツキー(ナチス批判)、1975年のアンドレイ・サハロフ(ソ連体制批判)、1983年のレフ・ワレサ(一党独裁批判)、1991年のアウン・サン・スー・チー(軍独裁批判)のときも、このような事態に陥った」
アフテンポステン紙によると、式典では、劉暁波に代わってノルウェーの女優・映画監督リブ・ウルマンが、彼の書いた文章を読み上げた。11 年間の禁固刑を言い渡される直前の、2003年12月23日に、彼がつづったものだ。その思想・表現の自由への渇望、闘争の意義、そして劉霞への深い愛・・・胸が打たれる。
リブ・ウルマンは、数々の賞に輝く世界的に著名な女優だ。日本ではスウェーデンの著名な映画監督ベルイマンの元パートナーとして知られているが、フェミニストであることは知られていない。女性難民委員会を創設し、現在は名誉会長。
彼女の十八番は、これまたノルウェーの脚本家イプセン作『人形の家』の主人公ノラだ。彼女の曽祖父は、ノルウェー女性の参政権獲得のために論陣をはった政治家である。ノルウェーは独立国として世界で最も早く女性に参政権を認めた。詳しくは、『ノルウェーを変えた髭のノラ』(明石書店)を参照。
http://www.aftenposten.no/nyheter/iriks/article3943144.ece
http://www.foreignpolicy.com/articles/2010/10/08/i_have_no_enemies
http://www.womensrefugeecommission.org/about/board/12-honorary-chair/27-liv-ullmann
■関連記事 ノーベル平和賞選定委員会/