マニコミオ(精神病院)をやめたイタリアから日本へのメッセージ

11月16日、東京北とぴあで、日本縦断トリエステ精神保健講演会の第1弾が開かれた。70年代、イタリアの精神保健改革の立役者たち3人が、イタリア語で講演した。通訳付き。

400席が満席だった。残念なのは、時間不足で、やや消化不良になった点。通訳を介しての国際会議の難しさを感じた。休憩時間集めた質問用紙は50枚以上だったとか。この問題へのなみなみならぬ期待の大きさを感じた。

c0166264_2474723.jpg1)自由こそ治療だ!   
講師:マリアグラツィア・ジャンニケッダ(社会学者、フランコ・バザーリア財団理事長) 

専門家でないからこそ見えた、精神障がい者の人権。どんな極貧状態にいても、刑務所にいれられても、重傷患者であっても、まず人間であり、そこには誰にも奪い得ない人権がある。変革には、まず「汚いものは家庭で洗え」を打ち破り、汚いものを外に出してみなで洗うことから始まる。

c0166264_2483499.jpg2)我々はなぜ精神病院を閉鎖したか  
講師:トッマーゾ・ロザーヴィオ(バザーリアの愛弟子の精神科医。ローマ大学哲学科客員教授) 

180号法によって、施設から地域のホームに、治療からケア(世話)に・・・変わった。医師・看護師・労働者とクライアントとの間に生まれる平等な関係から、芽生える新しい世界。パワーポイントを使いわかりやすかった。

c0166264_24942.jpg3)家族の「重荷」をどう乗り越えたか  
講師:ジゼッラ・トリンカス(イタリア家族会連合会会長) 

姉のマニコミオ入院で見た地獄。その後、180号法で退院した姉を地域でケアする支援は何一つなかった。何かしなければと思うが何をしていいかわからなかった彼女が、家族会を束ねるようになるまでの苦闘。「精神病院から女性が主ととして担う家族へ」を超えて・・・。心が震えた。

通訳:北内雅也
司会:大熊一夫
写真:三井マリ子 

c0166264_301894.jpg一般席にまぎれて座るイタリアからの3人。左からパオラ、フランチェスカ、ロベルタ。パオラはトッマーゾの妻、フランチェスカはサルディニアの家族会会員、ロベルタはジセッラの娘。イタリア講師に同伴してやってきた。みな初来日。サルディニアからのゲストは「寒い、寒い」を連発していた。



c0166264_345384.jpg主催:日本縦断トリエステ精神保健講演会実行委員会
委員長:堂本暁子 事務局長:大熊一夫 
委員:伊藤順一郎、門屋充郎、大石真弥、大石賢二郎、恒松由記子、久永文恵、田島光浩、三井マリ子、半田卓穂

NPO法人地域精神保健福祉機構・コンボ / 精神保健従事者団体懇談会/ 東京大学グローバルCOE / 東京大学精神看護学分野 の組織・団体の後援・協力のもとに行われた。(5枚目の写真は、会場準備の話し合いをする精神保健従事者団体懇談会の方々。大勢のボランティアの力で開催できた)

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http://frihet.exblog.jp/15444163/
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by bekokuma321 | 2010-11-17 01:15 | ヨーロッパ