ノルウェー:パパ・クオータ12週間に

9月23日の報道によると、ノルウェー政府の子ども・平等大臣アウドゥン・リースバッケンは、来年からパパ・クオータ(育児休業の父親割当て分)をさらに増やす予定だと発表した。

現在の育児休業は、100%の給料を得ながら46週間で、そのうち10週間が父親に割り当てられている。それを2週間増やし12週間にするという。パパ・クオータの期間は、母親が代わりにとれないので、父親が全面的に乳児を育てることになる。

大臣は、この案は若い女性たちに支持され、何よりも子どもたちにプラスになり、家庭をよりいっそう男女平等にすることができる、と語った。

またしても、世界中を驚かせる政策だ。インターナショナル・ヘラルド・トリビューンのJonathan Powerは「(アメリカ人が)聞いたらショックだと思う。社会主義政権だからと言うだろう(ノルウェーは社会主義政権ではない=編集部)」という感想を述べたことも報道されている。

しかし、この背景にあるのは80年代から一貫した父親の育児・家事参加政策だ。

1986年、現首相のストルテンベルグを委員長とする「男の役割委員会」が、父親の育児休業取得を提案した。パパ・クオータが初めて導入されたのは1993年で、4週間だった。その後増え続け、2009年7月1日に10週間となって現在に至っている。

c0166264_1837041.jpgその間、保守党、進歩党(極右と報道される)は、パパ・クオータに党として反対を決定。「家庭の自由に任せるべきだ」と主張してきた。それに対して、「デンマークを見てください。パパ・クオータを廃止した2002年から、父親の取得が減った」と、審議会「女性パネルWomen's Panel」は反論している。写真は、女性パネルが提出した報告・提言書の表紙(奇抜なイラストにヒェ―ッとのけぞってしまった)。女性パネルは政策に女性の声を反映するために設置された女性だけの審議会。

まだまだ議論は続くようだ。そうした中、子ども・平等省大臣が、「父親の育児休業をさらに増やす」と決定した。現政権の姿勢がここに表れている。

■アフテンポステン紙
http://www.aftenposten.no/nyheter/iriks/politikk/article3823863.ece
http://www.aftenposten.no/nyheter/iriks/article3821689.ece
http://www.aftenposten.no/nyheter/iriks/article3801425.ece

■E24
http://e24.no/kommentar/spaltister/knutsen/article3839999.ece

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■ノルウェーの育児制度、ワーキングウーマンの現状については
『ママは大臣パパ育児』(明石書店)
『ノルウェーを変えた髭のノラ』(明石書店)
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by bekokuma321 | 2010-10-05 00:26 | ノルウェー