森田県政「元気な千葉」で千葉女性は不元気に

千葉県知事が「堂本」から「森田」に変わった時、千葉県の男女平等政策が大きく後退するだろうことは想像できた。あれから1年半、その本性が露わになった。

今夏8月3日、「千葉県男女共同参画推進懇話会」が開かれた。いわゆる審議会で、県の男女共同参画行政に影響を与える。そのメンバーは、長谷川三千子埼玉大学教授、渡辺利夫拓殖大学学長などだ。その議事録を見てみよう。終始、男女平等推進を阻害しようとするような発言が目だつ。

「単なる男女平等というのは実はかえって社会の活力を削いでしまう」(長谷川三千子埼玉大教授)[この人は、反差別より反平等を進めようとしているらしい]

「伝統的に積み上げられてきた社会制度・慣行というようなものを見直すというのは、非常に危険ですね」(渡辺利夫拓殖大学長)

「県議会議員95人で女性がこれだけというのは、自分で立候補した人が民意で選ばれなかっただけだ」(関口喜一連合千葉副事務局長)

「『学校における男女平等の教育の促進』は、・・・運動会等でも男女一緒の騎馬戦などと性差をなくすようなかたちで行っていくことでした」(瀧田敏幸県議)[これは虚偽である。あえてこうした虚偽情報を広めるのは日本会議やそれに連なる右翼団体=編集部注]

いつ、このようなメンバーを選んだのだろう。メンバーが決まったとき、千葉県の女性議員たちは反対をしなかったのだろうか。女性県議たちは、「千葉県男女共同参画推進懇話会のメンバーが誰か全くわかりませんでした。情報がこないのです」と、嘆く。堂本時代のメンバーからほぼ全員が変わったらしい。

この「千葉県男女共同参画推進懇話会」からおよそ1カ月。9月、千葉県のホームページに「千葉県男女共同参画計画」の骨子案とポイントが発表された。なんと、肝心かなめの「男女平等」が抹殺されていた。

c0166264_16333389.jpg9月28日、女性議員を増やして男女平等の社会づくりをめざしている市民団体「全国フェミニスト議員連盟」(矢澤江美子・中村まさ子代表)は、この骨抜き計画に憤激し、千葉県庁に申し入れに行った(写真)。

かねてから怒り心頭に発している大野博美、小宮清子両県議も同席した。

連盟は、骨子案を根本から改善し、11月に公表されるという原案を、女性差別撤廃条約を遵守した中身にしてほしいと、要請した。応対したのは、県男女共同参画課の佐近優子課長、根本由香里室長。





以下、堂本県政時代の計画は「第2次」、新たにつくられようとしている計画は「第3次」と呼ぶ。

まず、計画の【目標】。
第2次には、「平等な社会の実現」と明記されていた。ところが第3次では「元気な千葉の実現」に変えられていた。「平等な社会」を削除することに異論はなかったのか、と連盟は問いただした。県側は、「元気な千葉・・・という森田知事らしさを出して、わかりやすくした」と答えた。しかし、男女不平等な千葉で女性たちが元気になれるはずがない。

次に、計画の【基本目標】。
第2次には、4つの目標「1自立できる社会」「2政策方針決定に皆が参画できる社会」「3家庭、地域、職場の調和した社会」「4健康な社会」が掲げられていた。それが第3次では、3つに減らされ、1番目の「自立」と、2番目の「政策方針決定」の2つがなくなっていた。

さらに、計画の【課題】。
基本目標の下にある。第2次には、10個の課題があった。一方、第3次は8つしかない。「男女平等の視点に立った意識変革と制度・慣行の見直し」はすっぽりなくなっている。連盟側は、次のように訴えた。

「『意識変革と制度・慣行の見直し』の削除は深刻だ。固定的性別役割分担意識の解消は、女性差別撤廃条約前文や第5条の求めていることであり、日本は遵守しなければならない。日本の取り組みが不充分であると、国連から再三指摘されてきた。復活してほしい」

県側は、「意識変革と制度・慣行の見直しについては、課題という(目立つ)項目には入らなかったが、今後、具体的な文言を書き入れる際は、検討していきたい」と述べた。

連盟は、続けて「政策決定の女性の少なさの解消は最重要課題だ。国連から指摘され、昨年夏の『女性差別撤廃委員会からの最終見解』では、クオータ制などの特別措置を実施して女性の参画を拡大せよ、と日本は強く要請されている。第2次のように目標に入れてほしい」と要請した。

県側は、「政策決定過程の女性の参画は、目標にはないが、課題6に『政策・方針決定過程における男女共同参画の促進』としてやっと残すことができた」と小さな声で弁解した。

このように改悪されたのは、8月3日の千葉県男女共同参画推進懇話会」での大きな声のせいだと予想できる。

小宮清子議員は「森田県政は男女平等において全国ワーストワン」と怒る。「堂本時代の計画も、保守系議員の反対が強く譲歩したものだったが、これは余りにひどい」と言うのは岩橋百合元県議。湯浅かずこ議員、大野博美議員は、「他の市民団体にも呼びかけ、大きな抗議行動をしたい。さらに今後も議会で追求を続けていく」と口をそろえた。

森田知事の「元気な千葉」は、不元気な千葉女性をつくるだけだ。千葉女性を元気にするには、女性の人権が守られる男女平等の社会にするしかない。

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■千葉県男女共同参画推進よ、どこへ行くhttp://frihet.exblog.jp/15195281/
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by bekokuma321 | 2010-10-01 13:25 | その他