地方自治体にマイノリティ・クオータ制

スウェーデンのボートシルカBotkyrka 市は、この夏、熱い視線をあびている。ストックホルムの西南にある人口7万7千人ばかりの同市は、先ごろ「3年後に、市の管理職の28%をマイノリティ出身者にする」と、管理職へのクオータ制を公表した。

ボートシルカ市の管理職に占めるマイノリティは、現在21%だとい。日本人の私から見たらクオータ制をしかなくても、十分ではないかと思える。しかし、「リーダーの割合は、同市に占める人口比を反映するべきだ」という考え方だからという。

c0166264_1718479.jpgこの公務員管理職におけるマイノリティのクオータ制に、ただちに反応したのがノルウェーの平等・反差別オンブッドのスンニバ・ウルスタビックSunniba Ørstavikだ(写真)。

平等・反差別オンブッドは、長年、男女平等オンブッドと称されていた。女性の人権確立と男女平等達成に、違反する機関がないかを監視する公的オンブズマンとして世界で初めてノルウェーで誕生した。男女平等法に基づき、数々の成果をあげてきた。法改正により、性による差別だけでなく社会的弱者全般を扱うオンブズマンとなった。

彼女は、「最新の調査によると、ノルウェーでは、非白人系移民は市の管理職の3分の1しかない。これは民主主義の観点から問題であり、スウェーデン方式を見習いたい」と語る。

彼女の発言に対して、今度はノルウェー進歩党(極右と言われている)が反論した。7月29日のアフテンポステン紙は、「クオータは差別的だ」という見出しで、進歩党のインド系男性の大きな顔写真入りで報道する。

オスロ市議である彼は、「今の僕のポストが、僕の皮膚の色、僕の両親の出身地ゆえだとされることは、絶対受け入れられない」と言う。彼は、どのような職種であれ、その能力と実績から選ばれるべきだと、クオータ制導入に断固反対する。それに対し、自由党(中道に属する)の市議からは「公務員にマイノリティのクオータ制を導入することには賛成だ」とし、その理由は、「多様な人々が公的職務にインテグレーションされるには、効果的方策だから」と語る。

国に先駆けて、地方自治体が独自にクオータ制を実行していこうという姿勢に感銘を受ける。これこそ、本物の地方自治ではないだろうか。

そして、男女平等のためのクオータ制がマイノリティの平等に貢献しつつあることに、平等社会実現に向かう力強い足音が聞こえてくる。

http://www.aftenposten.no/jobb/article3749763.ece
http://www.aftenposten.no/jobb/article3747103.ece
http://www.ldo.no/no/Om-ombudet/

男女平等オンブッドについては下記を参照
『ママは大臣 パパ育児』(明石書店)
『男を消せ!--ノルウェーを変えた女のクーデター』(毎日新聞社)
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by bekokuma321 | 2010-07-31 03:53 | 北欧