参院選で女性躍進ならず

7月の参院選で女性の当選者は17人、121人中14%にしか届かなかった。

26人、21.5%が当選した2007年参院選と比較すると、大幅減少だ。しかし改選の女性議員はわずか15人だったため、2人増えた。その結果、参院の女性は242人中、非改選の27人を加え44人、18.7%となった。微増である。

全体の当選率をみると、比例代表では48人中9人18.7%、選挙区では73人中8人わずか10.9%。比例代表制選挙のほうが、女性が当選しやすいという国際調査があるが、日本もそれを裏付けた。

方針決定の場の男女平等は、民主主義の土台である。国際社会はその実現に向けて選挙制度改正をはじめキャンペーンをしてきた。日本はどうか。衆議院の女性割合は480中45人、9.4%。国際比較では189カ国中131位であり、最下位グループに位置する(一院)。

この惨状を踏まえ国連は日本政府に再三の勧告をしてきた。2009年夏、国連女性差別撤廃委員会は、2011年以まで、決定の場に女性の参加を促進するための暫定的特別措置(クオータ制などaffirmatiive aciton)の実行について、実施状況を詳細に報告せよ、としている。

今回の参院選は、その勧告を受けて以来初の国政選挙だった。しかし、選挙期間中の政党アンケート結果によると、政党は、女性を増やすための暫定的特別措置など歯牙にもかけていないことがわかった。

とくに与党民主党における女性候補の不振は、目に余る。男女平等推進の旗頭である千葉景子法相をはじめ、実績ある現職を落選させてしまった。TV露出度の高さで決めたらしき多くの新人女性候補には自力での当選を期待し、党の組織的応援(労働組合など)は男性候補に流れたのではないかと考えられる。

一方、宗教団体は、自民党の女性候補者支援に回り、自民党における女性議員の当選に大いに寄与した。新聞報道によると、神社本庁は山谷えり子氏、日蓮宗が佐藤ゆかり氏、天台宗が片山さつき氏の支援を公にしている。3人は、みな早々に当選を決めた。

この3人を含め自民党の女性議員は、選択的夫婦別姓に絶対反対を公にしている。

日本の民法は夫婦同姓を強制する世界できわめて稀な法律だ。「その民法を改正せよ」は、国連女性差別撤廃委員会勧告のひとつであり、働く女性の悲願でもある。

それに対して、夫婦別姓に反対する宗教団体などの勢力は、特定の女性候補を支援して改正に待ったをかけてきた。前回の地方選挙では、男女平等を進めてきた現職女性議員(選挙では候補)に対して、虚偽の噂を流したりなど露骨な選挙妨害をやった。執拗で組織的嫌がらせは、ネガティブキャンペーンとなってネットで広がり、落選という甚大な実害を受けた候補者もいる。

女性差別撤廃条約が批准されて25年になるが、条約を順守すべき国会議員になろうという人物が、条約反対を公にして当選する。なんといういびつな国だろう。しかも働く女性のシンボルである女性政治家が、働く女性を邪魔している悪法を固持しようとしているのだ。これをどう変えていけるか。今回の参院選は、民主党内の女性はもちろんのこと、私たち女性ひとりひとりの姿勢が問われる結果となった。

女性比率
http://www.gender.go.jp/whitepaper/h19/zentai/danjyo/html/zuhyo/fig01_00_05.html
参議院 会派別所属議員数一覧
女性と選挙
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by bekokuma321 | 2010-07-15 08:14 | その他