スポーツとセックス

BBCによると、さきごろ、スコットランド議会で、2014年開催予定のスポーツ大会に向けて、人身売買の防止に積極的政策をとるべきだとする審議があった。

開催地・グラスゴーの調査によると、2010年3月にいたる1年間で、47人の女性が人身売買の被害者とされた。「ロンドンのオリンピック、グラスゴ―(スコットランド)の2014年スポーツ大会には、女性の人身売買が増える恐れがあり、それに向けて対策をとるべきだ」「2004年のアテネ・オリンピックや2006年のドイツのワールドカップなど大きなスポーツ大会があった時には、女性の人身売買や売春が増えたという証拠がある」

c0166264_13562919.jpg関連記事によれば、イギリス政府は、人身売買の被害者に対する対応がまずく、条約の目的に合致していないとする報告が出された。条約とは、欧州審議会の人身売買に反対する行動のための条約で、Council of Europe Convention on Action against Trafficking in Human Beings.

条約を批准したイギリスは、人身売買根絶の義務を負う。「反人身売買モニター・グループ」が発行した「犠牲者が悪い?」という報告書は、犠牲者の保護に軸足を移すべきだと訴える。真実を見ず、偏見を持っているこの分野で働く人への訓練不足の解消を提案する。

被害者32才の女性は、語る。
「2004年、イギリスに仕事を求めてやってきた。しかし拉致され、加害者に強制労働をさせられ、殴打、強姦を繰り返された。加害者から、俺と寝ないと殺すと脅迫されていた。4年後にやっと逃げたが、その時、当局は私の話を信じなかった。それどころか、『どうしてもっと早く逃げなかったのか』と言った。周りに誰も知っているひとがいなかったし、どこにどう逃げたらいいかなど私はわからなかった。さらに『あなたのされたことを証明する目撃者が誰もいない』とまで言われた。なぜ私の言うことを信じてくれないのか。私の体はボロボロ、もう結婚もできないのです」

南アフリカで開催されているワールドカップはどうか。この問題がないとはいえない。見えてこないだけだ。理由は、この問題を取材して報道するメディアがないだけだと思う。その背景には、メディアにおける方針決定に女性が少ないことがある。

さらに、日本政府が人身売買禁止の具体的政策にかじ取りしたとは聞いたことがない。イギリス政府も、同条約批准後のようだ。その意味からも、批准国に被害者の人権保障を手助けするためのミニマムスタンダードを決めた、同条約の意義は絶大だ。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/scotland/glasgow_and_west/10315653.stm
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk/10320676.stm
http://www.antislavery.org/english/what_we_do/programme_and_advocacy_work/anti_trafficking_monitoring_group.aspx
http://www.amnesty.org.uk/news_details.asp?NewsID=18820
http://www.amnesty.org.uk/uploads/documents/doc_20457.pdf
http://www.coe.int/t/dghl/monitoring/trafficking/default_en.asp
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by bekokuma321 | 2010-06-16 12:57 | ヨーロッパ