子どもの人権保障は行き過ぎか否か

ノルウェーは子どもたちの権利擁護が手厚く整っている。しかし、その反動もあるようだ。

アフテンポステン紙のある記事によると、ベリット・ミシェレットは、飲酒する子どもや、子どものしつけを放任する親たちなど日ごろのパトロール経験から、子どもたちは権利を与えられすぎていると言う。ミシェレットは、犯罪防止警察フォーラムの若者の犯罪防止賞を受賞した警察官(女)だ。

今の子どもたちは、何かというと親とうまくやりとりすることに慣れている結果、他人の言うことを聞こうとしない。彼女は、今の若者は命令を聞こうとしないばかりか、自分たちは他人から尊敬を要求しているのに、他人への尊敬を欠いている、という。若者は刺激を与えられすぎている。子どもは家庭で自分の居場所を見つけるべきだ。親が子どもと衝突することをさけようとして話し合いをしても、子どもには、教育者、社会福祉員などにも理解者がいる。いいことかもしれないが、行き過ぎだ。

ミシェレットの意見はさらに進む。彼女はノルウェーの法律を改正すべきときだとまで考える。離婚の際、子どもたちは、どこに住むかを決めることに参加できる。さらに患者法は、12歳以上の子どもに、親に知らせるか否かを決める権利を与えている。18歳以下の子どもたちは、物事を決めることができないような多くの権利を持っている。それは、子どもたちの利益にならないという。

この問題に関してのノルウェー人の議論はとどまらない。アフテンポステン紙も大々的に取り扱う。「どこに住むかは自分で決められないが、ここがとてもいい所だ」という豊かな国ノルウェーの若者の特集もある。欧州の他国と異なり、がんばらなくても高等教育を受けられ、仕事にも就ける国に生きる若者の問題点をさぐる。

議論には教育大臣(クリスティン・ハルヴェシェン)も加わる。好調な石油産業の恩恵を受けて豊かな社会に見えるが、「我々は石油に頼って生きてはいけない、我々が頼れるのは知識です」と大臣は語る。子どもは親の姿勢を見て影響を受ける。親は、家庭の仕事にもっと子どもを参加させ、家庭のやりくりを手伝わせなさい、とも呼びかける。

日本社会で、こうしたノルウェーのニュースを聞くと、逆方向にかじ取りをする人たちが勢いづく。
ノルウェーの実態を知りつつ、子どもの人権条約を批准しても実行がほとんどともなわない法制度や社会サービス改善が急がれる日本だが。


http://www.aftenposten.no/nyheter/iriks/article3690493.ece
http://www.aftenposten.no/nyheter/iriks/article3689810.ece
http://www.aftenposten.no/nyheter/iriks/article3690414.ece
[PR]
by bekokuma321 | 2010-06-13 16:32 | ノルウェー